内容説明
農園を経営する砂田家の長男・謙太が誘拐された。長野県警の城取警部補は、知事の特命で捜査に派遣された信州大学の四月朔日教授とともに現場へ。離婚して家を出た謙太の母親が「リュウにならなきゃいけない」と呟いていたとの証言を得る。それを聞いた四月朔日は、信州に伝わる泉小太郎伝説の龍のことだと断言するが…(表題作「龍の行方」より)。古くから伝わる五つの民話が事件の鍵を握る―?
著者等紹介
遠藤武文[エンドウタケフミ]
1966年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2009年、『プリズン・トリック』で第55回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
89
この著者の初読みです。この前にシリーズとしては1冊出ているのらしいのですが、題名が宮部みゆきさんの作品のようなので読んでみました。短編連作で読んでいて逆に北森鴻さんの蓮杖シリーズを思い浮かべました。主人公の二人があまり魅力的ではないのを伝承的な謎で補っているというところでしょうか?最初のを読んでみてみましょう。2015/09/06
takaC
86
なぜか勝手に長編だと思っていて、期待に胸を膨らませて読み始めたら、長野県各地を舞台にした民話に絡んだ刑事事件の短編集でややガッカリ。主人公の一人らしい四月朔日香織教授のキャラがさっぱり掴み難い。2016/07/04
きさらぎ
52
四月朔日教授、ここでもかなり評判悪いですね。私もダメ。受け付けない。空気を読まないド厚かましさにイライラを通り越してムカムカしっぱなし。なので四月朔日が騙された(利用された)話には溜飲が下がった。城取警部補だけでいいのに、なんでこの女がセットになって登場するんだろう?信州の民話も大して事件と関連してるようには思えなかった。2015/09/27
そうたそ
39
★★☆☆☆ 民間伝承に擬えて起こされる事件を扱った短編ミステリを収めた作品集。シリーズ二作目だったことは知らずに読んでしまった。全体的に読みやすいんだけれど、どうも民間伝承の部分と、事件そのものが乖離しすぎていてミステリとしてはどうもなあ、という感じ。信州の民間伝承あれこれについては、なるほど勉強になるという感じではあるが、別にそれだけなら専門書読むし。ミステリ自体については、どれも陳腐。短編だからなのかなあ、どれも捻りが足りないし、扱っている題材は面白いだけに勿体ないなあとつくづく思ってしまう。2014/09/30
ナミのママ
34
『原罪』の城取警部補と四月朔日教授コンビ。信州の民話を絡めた5つの短編。…信州の民話というのに興味をそそられて借りてみました。相変わらず四月朔日教授は嫌なキャラでした。どうして出てくるんだろうと前作と同じくイラッとしましたが。短編のおかげか、この作家さんにしては読みやすかったですが、内容が重い(暗い)のは変わらないように思います。数時間で読了、でもあまり記憶に残りませんでした。ちょっと残念。でもこの作家さんの本は、なぜか気になります。2014/09/07