内容説明
毎日通う喫茶店でも顔を覚えられず、隣に座っていても大事な話を始められてしまうほどの存在感。だがそんな彼の周囲で、不可思議な事件が起こり始める。友人が失踪し、その友人から借りた自転車が盗まれたかと思ったら、部屋からミイラ化した遺体が見つかったのだ!ややこしい事件と絡まる糸を、解くことはできるのか!「幽霊」のように陰から事件を追いかける小仏さん!?そして驚愕の結末を見よ!
著者等紹介
蒼井上鷹[アオイウエタカ]
1968年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て2004年「キリング・タイム」で第26回小説推理新人賞を受賞。翌年、「大松鮨の奇妙な客」が第58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
108
ストーリーは面白いです。 ただ、幽霊のような存在感のない人物が探偵役をやっているせいか、全体的にもっさりした印象です。 まあ、これが後半の伏線にもなっているわけですから、しょうがないのかもしれませんが。 主人公の甥が出てくるのですが、この人を中心に描けば案外、テンポが出たかもしれません。 『ぼくの幽霊おじさん』とか。 まあ、ストーリーとしては面白いので、表現は難しかもしれませんが映像にするのもいいかもしれません。 2020/08/11
七色一味
52
読破。ひっくり返った。ひっくり返ったけど、あぁ、途中の違和感は、そのためだったのか…。ご都合主義も、ここまで胸をはってどうどうとされると、それはそれでありか!と思えてくるから不思議。レビューを読むと、あら、つまらん、と言う感想が多かったけど、私はかなり楽しめました。こいつは本当に名乗っている通りの人物なのか? とかパスポートは顔写真付きだから、身分証明書の扱いとしては運転免許証と一緒じゃないのか?怪しい!とか、いろいろ考えされられた(笑) 死体の放置に問題ないかしらん、と。変なところ気になりましたが(笑)2014/04/24
カナティ
38
初読みの蒼井さん。存在感が薄く、幽霊のような小仏さんが友人宅で遺体を発見。その後、消息を絶ってしまい...。という面白そうな内容なのと、蒼井さんの作品が前から気になっていてかなり期待していましたが、今回のは色々とつめ込みすぎなのか読んでいて混乱してしまい、読みづらい印象を受けました。もう少しあっさりしていても良かったかも..。途中の違和感は最後に明かされてなるほど〜となりました。他にも面白そうな作品がありそうなのでまた読んでみようと思います。2014/01/31
エンリケ
19
影の薄い老人小仏さんと彼の甥が、小仏さんの発見した顔馴染みの死体の謎を追う。放火疑惑や戸籍売買。恐喝といった様々な事件が絡み合い、物語の道行きや二人の捜査の方向性が途中から解らなくなった。様々な伏線も回収仕切れず結局フェイクだったのか?とミステリーとしては言いたい事が色々有るが、物語としては楽しめた。狭い町で起こる様々な事件。そして登場する怪しげな人達。身近な日常に密かに進行する邪悪な企みを暴いて行くのは影の薄い主人公。軽いタッチで進行するお話に過不足無く振り回わされた。幽霊ってそういう意味だったのね。2014/10/03
カリン
15
幽霊が何処で出てくるのか、誰が幽霊なのか、どう絡んでくるのかと読み進めたが、確かに「そこにいたの!」と。中ほどのトリックが判りにくくて、あやうく飽きてくる所だった。いまひとつ、すっきりしない結末。2014/01/16