出版社内容情報
ココ・シャネルとエバ・ブラウン、そしてヒトラー…
“裏切り? わたしはただ女のために服を作ったのだ”
血のスーツが語る大戦の闇。極上の国際歴史サスペンス、ここに誕生!
パリ=ブルターニュ=ベルリンに追う愛と平和の軌跡
金髪の女と東洋の少女が、足元のあたりに並んで立っている。ついにその時が来たということだ。でも、なぜあのふたりなのだろう。理由を考える余裕は、もはやない。尊敬や賛嘆の言葉も、誹謗や中傷の言葉も、すでに意味をなくした。
「こうやって、人は死んでいくのね」ココはつぶやいて、目を閉じた。
マドモアゼル、しっかりして。その声がココに届いたか、どうか。
結城真理は母・智子から年代物のスーツを見せられる。それは、第二次大戦中をパリで過ごした祖母・久能千沙の遺品だった。智子の親友で服飾学校長の松村弘子によればシャネルのものと思われ、大戦中は休業していたはずのシャネルの手によるものだとすれば、世紀の大発見だという。……そして、そのスーツは古い血に染まっていた。
戦後を抜け殻のように生きたという千沙。祖母から母子まで三代の確執を生んだ鍵を求め、スーツとともに遺された白人男性との仲睦まじい写真、手紙を手掛かりに真実を追うべく旅立つ真理と智子。パリ、ブルターニュ、ベルリンへと続く探索行の末、千沙とシャネルのみならず、エバ・ブラウンとヒトラーをも巻き込む壮大な人間絵図と謀略が浮かび上がった!
訪問者
ココ
シャネルスーツ
万国博
パリへ
レザネ・フォール(狂乱の時代)
日本人會
新年会
カンボン通り
誕生日
テレサ
ゲームの規則
墓地の壁
奇妙な戦争
サンジェルマン病院
パリ陥落
ブルターニュ
占領
手記
ブロンドの男
オペラ座にて
約束の記憶
連邦公文書館
山荘
遺品
レジスタンス
逡巡
諜報部の男
証言
招待
親書の依頼
再会
始動
友情の記念
追跡
出港
パリ解放
セーヌは流れる
裸のトルソ
【著者紹介】
1961年横浜市に生まれ、横浜国立大学教育学部卒業後、高校教諭、業界誌編集者などを経て、1999年、幕末の残酷絵師月岡芳年の半生を描いた『芳年冥府彷徨』で第6回松本清張賞を受賞してデビュー。以後は、江戸から現代にまで至る幅広い舞台で多彩な作品を描き続ける。著書は『聖戦』『聖痕』『渋谷アンダーグラウンド』『肌絵師』『カタリ伝』『弁天てんてん』『上海禁書』『風雲甲穴城』など。
内容説明
ココ・シャネルとエバ・ブラウン、そしてヒトラー…“裏切り?わたしはただ女のために服を作ったのだ”パリ=ブルターニュ=ベルリンに追う愛と平和の軌跡。血のスーツが語る大戦の闇。極上の国際歴史サスペンス。
著者等紹介
島村匠[シマムラショウ]
1961年横浜市に生まれ、横浜国立大学教育学部卒業後、高校教諭、業界誌編集者などを経て、1999年、幕末の残酷絵師月岡芳年の半生を描いた『芳年冥府彷徨』で第6回松本清張賞を受賞してデビュー。以後は、江戸から現代にまで至る幅広い舞台で多彩な作品を描き続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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