内容説明
“ロックスターになってやる”という夢を失った「僕」は、放浪の末に「ショートホープ・ヴィレッジ」と呼ばれる土地に流れ着いた。小綺麗な街並の中で、そこだけがひっそりと忘れ去られた場所。そこで澄んだ瞳の彼女と出会い、“思い出”をクリーニングするという奇妙な会社にスカウトされる…。他人の“思い出”をきれいにするなんてことはできるのか、そして不思議な街と彼女の秘密とは?新鋭が描く心揺さぶる長編ファンタジー。
著者等紹介
藤井建司[フジイケンジ]
1965年、奈良県生まれ。法政大学文学部卒。週刊誌などでライター活動をする傍ら、小説を執筆。2008年『ある意味、ホームレスみたいなものですが、なにか?』で小学館文庫小説賞優秀賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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choco
30
SFちっくだけど、どこか重みのある話。アリエナイだろうがまさにタバコのショートホープ。都市開発企画の際うっかり地図上に置きっ放しにされたショートホープの下にあった地域。うっかり忘れられてしまう存在の主人公。万城目さんのキャラ好きです。思い出クリーニング。そんな店があったら私は何をクリーニングしてもらおう?2015/07/30
み
23
ジャケ読みした作品。う〜ん、あたしの理解力が足りないようで、読み終えてぽか〜ん^^;ちと残念なり。2019/05/02
七色一味
12
読破。設定自体は面白いです。都市開発からぽっかりと抜け落ちた、誰もが忘れ去ってしまう1画「ショートホープ・ヴィレッジ」。そことその周りとのなんとも不可思議な「境界」なんて言うのは、ちょっとしたホラーチックな設定で、ワクワクドキドキなんですが…。なぜ、そこを深く突き詰めて物語を展開しない! 思いでクリーニングも設定は面白いけど、どうして「ショートホープ・ヴィレッジ」と絡めて話を持ってかない! とまぁ、設定が面白かっただけに、ちょっとがっかりな作品でした。2012/11/25
眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
10
設定やキャラクターは面白かったけど、なんか物足りない感じ 地図上のショートホープサイズの土地だけが開発から忘れられていく いつしかそこに住む人間も 忘れられることの恐怖感 それでも大切な人がいれば生きてゆける 逆に言えば、誰からも忘れられてしまったとき、それが人として本当に死んでしまう、ということかもしれませんね2011/04/05
sena
8
思い出をクリーニングするという設定が良かった。でも生への執着が薄い主人公の暮らしぶりに、不安な気持ちになる。ひっそりと自分だけの世界で暮らしてはいかん。2011/11/23
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- 和書
- カナダ移民史資料 第1巻