内容説明
彼らは誰のために戦ったのか―不世出の二人の軍人の生涯をとおして描く日本と日本国民の本質。
著者等紹介
阿部牧郎[アベマキオ]
1933年、京都生まれ。京大仏文科卒業後、会社員生活をへて文筆活動に入る。88年、『それぞれの終楽章』で第98回直木賞を受賞。以後、推理、時代、歴史小説など幅広い分野で創作を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
27
          
            ○三国同盟までの流れがよくわかります。東条英機は家庭人としていい人であることが強調されていますが、宰相としては思いはあるが思想がないのでダメだなと思います。憲兵の味を知った記載がありますが、私的に使わない意思があっても、そもそも思想がないので結果的に私的使用と同様になるのだろうと思いました。2023/05/10
          
        KAZOO
24
          
            日露戦争から説き起こして、書かれています。陸軍と海軍のしかも性格がまるっきり違う二人の対象を比較しながら日本が戦争に突き進んでいったさまを書いています。結構国民の総意が戦争へ駆り立てたのだと思います。終戦前の朝日新聞などは大政翼賛会のような記事を多く書いていたのですから。2014/10/11
          
        黒猫
17
          
            とにかく分厚かった。戦前から戦後にかけて、どの人物が何をしたのかよくわからなくて読んでみた。温厚で毅然とした人柄の米内光政と、天皇至上主義の真面目な東条英機。最初は、互いの色がよく出ていて読みやすいが、だんだんとだらけてくる印象。戦争の犯人探しは軍部の暴走や、大本営の指揮系統の麻痺はよく言われることだが、そもそもの「天皇陛下は現人神であり、日本国民は陛下の赤子であり、神の国である日本が世界に平和を導く」という、独特の考えには、マスコミも国民も戦犯の一角を担った印象はある。海軍と陸軍の不仲も。下巻へ。2017/06/01
          
        CCC
7
          
            陸軍代表と海軍代表ということかな? 話をカバー出来る範囲が広くて、面白い人物の選び方だと思う。戦前日本人の精神構造について筆を多く割いている。神格化された天皇への精神的依存。その利点と弊害。2013/04/16
          
        Ryuji
4
          
            ★★★★☆とても分厚い本で、読み終えるのに四苦八苦しました。東条英機と米内光政を描いた小説です。本のタイトルから戦前の体制を賛美する小説なのかな?とも思いましたが全然そんなことはありませんでした。上巻は日露戦争から太平洋戦争の直前まで。明治維新後「国家神道」の考え方から、どのように戦争に突き進んでいったか良く分かります。明治政府が何故「国家神道」という考え方をしなくてはならない理由や、その中で軍人がどういう教育を受けたのかとても分かりやすい。日露戦争部分が長すぎること以外は良かった。2017/08/22
          
        

              
              

