内容説明
「飛行機でハワイをやろうと思う―」昭和十六年春、米国との開戦迫るなか、連合艦隊司令長官・山本五十六は先任参謀・黒島亀人に航空機による前代未聞の空襲作戦の立案を命じた。日米衝突回避のため最後まで尽力した山本の苦渋の決断だった。米国に勝利する唯一の策を構想できるのは黒島以外にいない。中央の選良にはできない奇抜で独自の発想力に期待する大抜擢である。他人に心を開かず孤高に生きてきた黒島は、初めて敬愛した上司・山本のため全身全霊をかけ革新的な作戦を練り上げていく。しかし従来の大艦巨砲主義を貫く海軍主流派は、連合艦隊の大航空作戦に真っ向から対立した…。抗いがたい歴史のうねりのなかで国家の栄光と奈落を背負い、艦に生き、海に生きた二人の軍人の絶対の絆を描く歴史巨編。
著者等紹介
阿部牧郎[アベマキオ]
1933年、京都生まれ。京大仏文科卒業後、会社員生活をへて文筆活動に入る。88年、『それぞれの終楽章』で第98回直木賞を受賞。以後、推理、時代、歴史小説など幅広い分野で創作を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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