内容説明
桐生(50)には気になる女がいた。自宅近くのバーに出入りする韓国人モデルのキムである。広告代理店を経営する彼は、かつて釜山に愛人ミギョクがいた。妻が妊娠中にもかかわらず、頻繁に渡韓し逢瀬を重ねていた過去があった。低迷する仕事と崩壊寸前の家庭。キムに傾斜していく一方の彼は、神戸出張に誘うことに成功した。だが、有頂天の彼に娘が「ママの様子がおかしい、夜は外出ばかり」と告げた。妻が浮気?相手は?やがて浮気の証拠を掴んだ彼の許に送られてきた、妻の卑猥なビデオ。決定的危機に陥った時、桐生はキムからの韓国行の誘いに救われるように応じた。若い魅力的な愛人との甘い釜山、慶州への旅のはずだったが、なぜか、十七年前に捨て去った女―ミギョクの影が、薄皮を剥ぐように甦ってくるのだった。男の愛欲の果てに待つものは…。
著者等紹介
小川竜生[オガワタツオ]
1952年、大阪生まれ。’93年『グッドタイムス・バッドタイムス』でデビュー。以後、骨太なハードボイルド作品群で注目を集める。’99年、原作・脚本を担当したラジオドラマ『ハートオブゴールド』が文化庁主催の芸術祭ラジオ部門大賞を受賞した
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