内容説明
「この船はどこに流されるのか」商船大生小嶋は神戸港でのバイト後、疲労のあまり船倉で眠り込む。夜のうちに貨物商は出航、船員たちも消え、さらに原因不明の爆発で機関室が浸水。さまよう船、尽きる食料…漂流は仕組まれたのか。その目的は…。残された臨時雇い四人の命運は小嶋の双肩にかかり、やがて暴風雨が…。極限状況に追いやられた男たちの恐怖と人間愛を描く海洋サスペンスの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
5
1982年連載、1995年単行本発行。バイト中に船倉で眠りこんでしまい、出航した貨物船で目を覚ます。翌日、臨時雇いの3人を残して船員が消え、救命ボートもなく、さらに機関室が爆発、いずれ沈没を免れないと知りつつ漂流する船で、4人はなにを思うのか、生還できるのか。なぜ船員が消えたのか、なぜ4人が残されたのか、なぜ爆発したのか、謎を解くミステリと、極限状態に追いこまれた4人の心理をえがく人間ドラマとのバランスがおもしろかった。確かに緊迫した状況だけれど、海洋サスペンスって感じじゃないなぁ。 (★★★☆☆)2020/04/19