出版社内容情報
鹿島茂[カシマシゲル]
著・文・その他
内容説明
たった一行で致命傷になることも。鹿島茂が生涯をかけて集めた“言葉の短刀”。耳をふさぎたくなる270の言葉。
目次
第1章 自己愛、嫉妬、老い。この始末に悪いもの―ラ・ロシュフーコー
第2章 人間のありとあらゆる営みは、すべて気晴らしにすぎない―パスカル
第3章 ロバが馬鹿にされるのは当たり前―ラ・フォンテーヌ
第4章 子供たちには過去も未来もない。が、我々にはほとんどないことだが、現在を享受する―ラ・ブリュイエール
第5章 妬み、嫉み、恨み。これこそが生命力の根源―E・M・シオラン
第6章 幸も不幸も自己愛に見合う分しか感じない―ラ・ロシュフーコー
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
仏文学者。明治大学教授。1949年横浜生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専門は19世紀フランス文学。『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Chicken Book
7
考える葦、とか2022/03/03
おの
4
図書館本。著者はロシュフーコーが大好きなようだ。フランス文学とフランスの歴史に興味が湧いた。不平等是正の社会設計の国と、不平等黙認の社会設計の国の話が面白かった。2021/06/06
M
4
「人は人そのものを愛するのではなく、ただ性質だけを愛するのである」 「凡人は、概して、自分の能力を超えることをすべて断罪する」 「自己愛はわれわれの目に似ている。われわれの目は何でも見えるが、目そのものは見ることができないからである」 既にラ・ロシュフーコーの箴言集を以前読んでいたので、内容を改めて吟味して読むことができ、更に筆者の箴言に対する解説や具体例は読んでいて、なるほどなと思わされることもあるが、傲慢は人間の本質であることは否定しないにしても、怠惰さの面には素直に共感できなかった。2019/04/24
ぶるーめん
4
名言集のような軽い気持ちで読み始めたがその深さにいろいろと考えさせられた。自己愛や妬みなど人の様々な性行が、ラ・ロシュフーコーやパスカルなどの箴言を通じて述べられている。また、博覧強記の著者がこれを論ずる題材も、政治からアイドルオタク、コレクターの心理まで幅広く面白い。一回読んだだけで語れる内容の本ではないが、潔癖症的二項対立に陥りがちな昨今、他者の主張も尊重し多面的な視点を持つこと、民主主義の進展が独裁に至る背景など、改めて気づくこと、考えさせられることも多かった。再度読み返し、考えたい本。2018/03/12
toddJPEN
2
これは面白かった。ラ・ロシュフーコーやパスカルから集めた皮肉が利いた箴言集。岩波文庫から出てるラ・ロシュフーコー箴言集もDaigo(メンタリストの方)がおススメしてたので買ったが、「悪の箴言」の方が解説が多くて読み易い。岩波の方はただの箇条書きで自分で考え/感じるしかないからねぇ。この本でも言ってるように、人間の情念の中で一番強くて有害なのが「面倒くさい」という感情なんだね。頭の良い人に考えてもらった文章を目で追ってるだけだ、僕は。2020/10/14