内容説明
地政学とは、地理的な条件から諸国間の関係を考える学問であるが、国内の権力闘争の歴史を説明するのにも応用できる。日本というのは、どういう国か?外国軍が日本の本土を占領するのは至難だった。日本の重点は、西から東へ移っていった。気候変動によって東西の力関係は左右された。徳川幕府は、海を押さえられて衰退した。日本の半島進出は、地政学上のセオリーだった。―歴史のポイントをつかめれば、この国のあるべき姿も見えてくる。
目次
序章 西から東へ(西からやってきた天皇;国外の第三勢力に対抗する ほか)
1章 せめぎあう西と東―なぜ、そこに日本の中心が置かれたか?(「遠の朝廷」大宰府;難波津と淀川 ほか)
2章 日本の成立―西と東はどうやって統一されたか?(九州の鎮圧;東国の制圧 ほか)
3章 日本外交の採るべき道―国防の必須条件(島国の国防;朝鮮出兵 ほか)
著者等紹介
兵頭二十八[ヒョウドウニソハチ]
1960年、長野市生まれ。陸上自衛隊に2年間勤務後、神奈川大学英語英文科卒、東京工業大学社会工学専攻博士前期課程修了。月刊「戦車マガジン」編集部勤務を経て、評論家・著述家。とくに軍事・防衛に詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaz
28
生まれ育った土地の特長は、その地方の人々の性格に大きな影響を与えるのは確か。歴史とセットで地政学を学ぶと、より興味が深まりスッと頭に入るのは間違いない。歴史小説では司馬先生の作品でこのような説明が見られるが、だからこそ多くの読者の評価を勝ち得ているのだろう。歴史に対して「if」を唱えるのではなく、「why」を探求したい私にとって、地政学は新たな視点となる可能性を感じるアプローチになり得るだろう。2018/07/04
Tenouji
13
視点が面白いね。想像力が膨らむという意味では刺激を受けました。2021/10/10
犬養三千代
10
この本、文庫化もされてるんだ。古代(3世紀から9世紀)ころまでの列島、半島、大陸の地政学と気候変動と外交は面白い。 また、鎌倉幕府くらいの西国と東国の識字率多分はっきりした数字統計は無いのだ。しかし、合戦の報告ができたのは梶原景時だけ?だったのは妙に気になる。 今も昔も列島、半島、大陸この関係はややこしい。在韓米軍がいるから日本は守られているのはなるほど!2019/09/23
Risa Shimowada
4
海流や気候変動が歴史上の判断に影響しているというのは面白いのだが、適当な思いつきを語ってるだけにも見えて後半は読むのが辛かった。史実なのか一般的な学説なのか、この人の研究結果なのかただの想像なのか区別が全くない。雑誌の連載をまとめたかのようなバラバラで統一感の無い構成で、雑学ネタとして楽しめる人にはいいかもだけどちょっとキツかった。本人は「こんなに自明のことなのに世間は分かってくれない」と思ってそうな気がして、人に理解してもらうための論拠とか根拠って大事だなと思った2019/12/13
たぬき
3
散漫2018/07/13
-
- 電子書籍
- 警察署長シリーズ 完全版 2 文春e-…