出版社内容情報
佐藤美香[サトウミカ]
内容説明
クリスマスに奇跡は起きた―「あいり」「じゅり」と名づけられた人形は、世界を旅してクリスマスに少女の元へ帰ってきた。その世界旅行のきっかけは、少女がサンタクロースに宛てて書いた手紙(本書帯参照)だった。「3・11」以来、帰ってこない姉。でも少女は「いつも一緒にいるよ」と姉に語りかけつづける。人を思う気持ちの重さが感動を呼ぶ真実の物語。
目次
1 手紙(お姉ちゃんと私に似た人形が欲しい;姉妹人形が完成 ほか)
2 時は止まり、時は流れる(命名の理由;その日― ほか)
3 ふたりのせかいりょこう(世界一周へ;人形は旅行中 ほか)
4 人の思い(ピンクのギフトボックス;帰ってきた「あいり」 ほか)
著者等紹介
佐藤美香[サトウミカ]
昭和50(1975)年、熊本県生まれ。東日本大震災で長女、愛梨ちゃん(当時6歳)を亡くす。以後、次女の珠莉ちゃんを育てながら、なぜ長女は亡くなったのか、幼稚園の防災体制に不備はなかったか、他の遺族とともに真相究明に取り組む。2015年からは、震災の悲劇と教訓を風化させぬよう、語り部活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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百太
35
このニュース見てました。記事も読んだことあります。「あっ書籍になったんだ。」と思い手にしました。あの時の愛梨ちゃんを探した時の話や、それからの時間を書くのは、さぞ辛い作業だったろうな佐藤さん。優しい人たちと繋がれた事が救いです。2018/02/28
なつ
27
もうすぐ3.11だから読んだという訳ではなかったのですが。今年でもう12年。時が経つのは早い。でも、被災された方、身近な方を亡くされた方にとっては永い12年だったのでは...と想う。ましてや著者のように天災ではなく人災で愛する我が子を失った方にとっては…。更に追い打ちをかけるように『法律が罪と罰を定めることと人として道徳的にどうであるかということは次元の違う話』を目の当たりにすることになるなんて…。愛梨ちゃんのご冥福をお祈りすると共に、珠莉ちゃんがたくさんの『式』を笑顔で迎えられるよう心から願っています。2023/03/04
けんとまん1007
16
思いは通じるもの。そんなことを一番感じた。それを感じっとり、実現に向けて動き出す人たちも素晴らしい。一人の少女の思いを、過度にするのではなく、その思いに寄り添う形であるのが何より。それは、多くの人に通じるものがあるからこそ、望ましい姿になるのだ。2017/05/04
Kana Kikuchi
4
今年は、3.11の話題を避けているように感じてしまっていた。地元で起きたことに色々聞かれたり考えたり話したりすることに疲れてしまったのもあるのだろう。でも、やはりまだまだ知らないことがある。このエピソードの他にもたくさんの生きた証がある。震災話題に久しぶりにふれたが、わたしにとって、とてもよかった。うまく言えないけれど、、、。2017/03/30
ふみ
3
よっぽどいいお姉さんだったんだろうな、愛梨ちゃん。わたしもきょうだいが大好きなので、読んでいてつらかったです。優しい人が優しくてよかった。珠莉ちゃんに優しい世界があってよかった。2017/04/15
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