内容説明
祇園精舎、祇王、俊寛沙汰ほか巻第三までを収録。平安の世、宮廷社会に地歩を築いた平家一門。その栄華と衰亡の物語が始まる―毎日出版文化賞特別賞『謹訳 源氏物語』に続く古典「謹訳」シリーズ第二弾。
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程修了(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。1984年から87年にかけて、日本古典籍の書誌学的調査研究のため、イギリスに滞在。その時の経験を綴ったエッセイ『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年に日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、作家デビュー。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で92年に国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年に講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瀧ながれ
24
セレブの常識を知らない平清盛が、国いちばんの権力を得て、したいように振る舞ってしまったため、世の中のあれこれがめちゃくちゃになってしまう話…かな? 怒りにまかせて前後を考えずに、人を捕らえたり流罪にしたり切り捨てたりする清盛を、気配りの常識人である息子・重盛が、毎度言葉を尽くして考え直させるのだが、重盛さまの苦労にこちらの胃がいたくなる思いがした。この巻末で重盛さまが没してしまうのが、ものすごくいろんな方面にとって残念だ。2015/05/04
Haruka Fukuhara
11
そこそこ読みやすかったけど、自分のベストではなかった。丁寧に訳されていていいのだけど、もう少し自分の感性に合う感じにかみ砕いて表現してほしいもどかしさがある。そんなこと言うなら自分で訳せよって言われたらそれまでですが。2017/06/12
冬薔薇
5
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす、おごれるものは久しからずただ春の夜の夢のごとし。だったかな、昔々暗記させられたのも懐かしい。清盛の横暴をいさめる重盛亡き後、法王をも流し、世も末と皆、俗世を捨てて出家する者多し。文章はリズミカルで注釈がないため途切れることなく流れるように読み進められる。またコデックス装、目に優しい上下の余白、系図も見やすく読みやすい本づくりになっている。2015/07/14
マリリン
4
購入したのは夏…。家系図もあり、読みやすいけれど、(二)の出版までに約半年かかった。来年5月までには全五巻が揃うはずだけど大丈夫か。。。2015/11/19
みるこおら
3
所々、有名な話しか知らないので、全編通して読んでみようと思う。林望氏の訳は適度に註釈をまじえて読みやすい。冒頭の「祇園精舎の・・・諸行無常の響きあり・・・」は学生の頃暗唱させられて、今でも言えるけれど通して読んでみて納得。2017/10/20