内容説明
日本人の精神の根底にある「常若の思想」を、日本人の心のふるさと・伊勢神宮で二十年に一度行なわれる「式年遷宮」から読み解く。神宮司庁広報室長の著者だから書き得た、骨太の日本人論。
目次
第1章 式年遷宮とは何か(「面白い」祭;崇神天皇の決断がもたらした、神宮の創建 ほか)
第2章 「世界で一番古くて新しいもの」が存在する常若の思想(「古くて新しい」というパラドックス;繰り返しの美学―伊勢神宮のパラドックス ほか)
第3章 諸祭行事に込められた意味(式年遷宮にはどのような祭事があるのか;上松から伊勢まで―御樋代木奉搬の記録 ほか)
第4章 無銘の神宝から分かる日本人の労働観(仕事は神様からの賜り物;神宝御彫馬の調製 ほか)
第5章 永遠を確立する科学(森林保護に関する誤解;自然を守る伊勢神宮 ほか)
著者等紹介
河合真如[カワイシンニョ]
神宮禰宜。昭和30年、岐阜県生まれ。公害問題に直面して自然との共生思想をもつ神道に共感し、同48年に神宮研修所に入学。同50年より神宮に奉職。現在、神宮司庁広報室長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ただぞぅ
12
檜の素木造りと茅葺屋根の佇まい。これまで見た神社とは明らかに違った。華やかさはない。だが古めかしさと清々しさを兼ね揃えた社殿に不変の偉大さを感じずにはいられない。「常若」の聖地である伊勢の神宮。その理由は飛鳥時代から1300年以上続く20年に一度の式年遷宮。神々を美しく瑞々しい神殿でお祀りしたいという古代の人々からの願いが伝承されている。永遠に連鎖させていくシステムをもつ神宮はいつの時代も古くて新しい。そして常に若々しく生きる「常若の思想」の根底がある。お参りに行けたことに感謝。残りの人生、常若であれ!2024/02/09
さんちゃん
1
神宮やひいては日本人やの奥深さを学ぶことができて、アイデンティティー及び三重県に住んでいることに感謝した。2015/07/07