内容説明
なぜ彼は信長を裏切り、光秀に濡れ衣を着せたのか?明智軍が本能寺に到着した時、すでに信長の首は討ち取られていた―「羽柴秀吉こそが首謀者」を実証。茶道に精通する研究者が、徹底的な現地取材と資料渉猟によって約四三〇年ぶりに明らかにした「光秀の冤罪」。
目次
序章 光秀は冤罪を着せられた
第1章 その時、秀吉はどこで何をしていたのか
第2章 なぜ秀吉は信長を裏切ったのか
第3章 死の前日、本能寺で信長は何をやりたかったのか
第4章 「日記」が語る、秀吉の陰謀
第5章 塗り替えられた歴史
第6章 「明智光秀・御霊神社」の謎
著者等紹介
井上慶雪[イノウエケイセツ]
茶道・歴史研究家。1935年、東京に生まれる。早稲田大学文学部仏文科を卒業後、株式会社電通に入社。1978年、井上デザイン事務所を設立し、パッケージデザインに携わる。拈華菴茶道文化研究会を主宰するとともに、華道では東池坊茶花教授を務める。茶の湯文化学会会員。読売・日本テレビ文化センター常任講師。「明智光秀公顕彰会」会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yuu@mayu
19
『☆☆☆☆.5』本能寺の変陰謀論について、ちょっと変わった方向からの考証で相当面白いのでは。まあ、確証が出てくるまではどんな論調でも楽しめるけど。2018/04/25
moonanddai
5
確かに光秀冤罪を示す状況証拠が多いように思えます。ただ、信長のようなVIPを謀殺したようとすれば、相当周到に計画しなければならないものでしょう。しかし明らかな証拠を残さずに、あれだけのことをやったとすれば、あまりにも鮮やかすぎます。2013/08/21
なつきネコ
4
私自身、本能寺の変の黒幕は秀吉だと考えていましたが、上回る実行犯説まで。しかし、証拠の綿密さはなるほどと思わせる。たとえば、本能寺の前後の光秀の行動の遅さかな。藤孝への手紙、確かにあの手紙はおかしい。しかし、この説が本当なら、光秀が自身の無罪を主張すれば良いのでは?と思える。しかし、私の好きな武将の一人、明智光秀ですが、サーバントとして召喚して、真実を聞いてみたいな。2014/01/21
オルレアンの聖たぬき
4
単なる陰謀論の話が多い中で結構『そういえばそうだな』と思わせるような展開で一気に読んでしまいました。結構考証は綿密で読みがいがありました。2013/10/10
Jiemon
2
本文中に記載の本能寺の変から7日後、丹後を動こうとしない藤孝と忠興に光秀が送った一級資料の手紙を永青文庫で昨日見てきた。確かに違和感がある。本能寺の変の大義が全く書かれていない。秀吉が信長を直接襲ったとは思えないが、この文章については、光秀を貶めるために後で偽造された可能性ありあり。今回の展示ではパンフレットの背景にもその手紙が印刷され中心であったが、明智という人を見る限り、軽挙妄動を行う人には見えないし、隠された真相がありそうで本当にもやもやする。どこから真実を語る資料がでてこないかな。2021/01/11