出版社内容情報
二人の藩主を擁する橋倉藩。
割れて当たり前の藩を割れさせぬ――
重すぎる密命を課された男たちの苛烈な宿命とは。
三人の男の生を鮮やかな筆致で描く、
著者渾身の時代ミステリー!
橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齢六十七。本来一人の役職である近習目付が二人いるのは、実質、藩主が二人いるという橋倉藩の特殊事情によるものだった。だが、次期藩主の急逝を機に藩主が一本化され、橋倉藩にも二人の近習目付にも、ようやく平和が訪れようとしていた。その矢先、二人藩主の幕引きを図った、藩の重鎮が暗殺され――。
【目次】