出版社内容情報
祝・デビュー30周年!
〈特殊設定ミステリ〉の第一人者が放つ一撃!
予知夢を見るふたり。
惨劇は回避できるのか?
そして凶悪な殺意の主とは?
あなたはこの結末に驚かずにはいられない――
刻子と甥の素央は、惨劇の夢を見る。親族八人が集った別荘で、刻子以外の全員が命を落とすのだ。二人には「確定している未来を事前に夢に見る」という予知能力がある。殺されるはずの素央は別荘に行かず、すべての惨劇は回避された――と安堵したが……。凶悪な殺意を持つ者は確実に存在する。起きるはずだった事件と犯人の正体とは? 特殊設定ミステリの先駆者、見参!
内容説明
刻子と甥の素央は、惨劇の夢を見る。親族八人が集った別荘で、刻子以外の全員が命を落とすのだ。二人には「確定している未来を事前に夢に見る」という予知能力がある。殺されるはずの素央は別荘に行かず、すべての惨劇は回避された―と安堵したが…。凶悪な殺意を持つ者は確実に存在する。起きるはずだった事件と犯人の正体とは?特殊設定ミステリの先駆者、見参!
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年、高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。95年、『解体諸因』でデビュー。『七回死んだ男』などで本格ミステリとSF的設定を融合して人気を博し、特殊設定ミステリの魁となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lucifer
13
『予知夢を見る』ということだけで特殊だが、『2人同時に』とさらに特殊な設定に惹かれた。そして、その同時に予知した親族の集まりでの惨劇を回避すべく奮闘。同時に同じものを見ると言っても視点が違う為、各自が見た事象を検討し『起きるはずだった』事件の真相と犯人を探ろうとするのが前半。というか、最初はそれだけの話かと思ってたが、後半は思ってなかった怒涛の展開。色々な状況の把握が大変だったのと、ラスト少々後味の悪さがあるものの結構面白かった。2025/05/24
オヤニラミ
12
刻子と甥の素央は親族が集まった別荘で起こる殺人事件の予知夢を見る、そしてその夢を二人は共有出来るという能力を持つ特殊設定ミステリー。物語の前半は、登場人物と時間軸の把握に戸惑いながら読み進めましたが、謎の解明を語られるにつれ終結近くにようやく理解できましたが😅予知夢もマトリョーシカの様に2重3重に入れ子構造であるし、二人以外の親族にも予知夢をみる能力があるようで…そうなると誰かの思惑が働いてくるのは必然的なのかな!?間接的に殺人を企てる事が複数人出来る…中々に複雑な物語でした。2025/05/24
ろいと
9
★★★☆☆ 近い将来の出来事を予知夢として見る体質を持つ刻子と甥の素央。2人は親戚一同が集まる別荘での連続殺人を予知したのだが、現実には殺人は起こらず。"起こらなかった殺人事件を推理する"というシュールな場面から始まる一冊。特殊設定ミステリの雄・西澤保彦らしく一筋縄ではいかない展開に酔いしれる。人物相関図が複雑すぎたり、本題に入るまでが長すぎたりと少々読みにくい点は気になった。2025/04/13
きゅうくつ
8
会話によって進む推理、特殊設定下で積まれ詰められていくロジック…これこれ、これよ、西澤作品!と嬉しくなった。関係者相関図が頭に入るまでは苦労したけど、解説含めとても良かった。2025/03/23
Jimmy
2
とんでもなく見事です。西澤デビュー作から連続の特殊設定モノを上梓していた時代の作かと思うほどの特殊の込み入り具合とその設定に乗っかった論理、惚れ惚れします。しかもその特殊設定の副産物として全編、タックタカチシリーズとは一味違うディスカッションで緊迫感半端ない。いや議論ではなく告白合戦とも言うべき新趣向。最近の西澤は面白いけどこれぞ西澤って感じがちょっと薄かったのですが、世間では無視、あるいは小品と評価されるだろうけれど、私的には西澤の中でも傑作かと。2025/05/03