出版社内容情報
シリーズ累計60万部突破!
妹が、怪我を負った。負わせたのは、おれの友だち。
家族と、友と、やりきれない想いの行き先を探す物語。
2019年本屋大賞第2位『ひと』に始まる荒川青春物語。
おれ、三上傑には、大学生の妹若緒がいる。兄妹仲は普通、のはずだった。おれの友だちであり若緒の恋人大河がデート中に交通事故を起こすまでは。後遺症で若緒は足を引きずるようになった。以来、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡り、我が家はぎくしゃくしている。両親の喧嘩は絶えず、若緒は就活に苦戦中。家族に友に、おれはどう接すればいいのか。『ひと』『まち』に続く感動作!
内容説明
おれ、三上傑には、大学生の妹若緒がいる。兄妹仲は普通、のはずだった。おれの友だちであり若緒の恋人大河がデート中に交通事故を起こすまでは。後遺症で若緒は足を引きずるようになった。以来、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡り、我が家はぎくしゃくしている。両親の喧嘩は絶えず、若緒は就活に苦戦中。家族に友に、おれはどう接すればいいのか。『ひと』『まち』に続く感動作!
著者等紹介
小野寺史宜[オノデラフミノリ]
千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞、08年「ROCKER」でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。『ひと』が2019年本屋大賞第二位に輝き、累計四十二万部のベストセラーに。同書は第三回宮崎本大賞も受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
40
下町荒川青春シリーズと帯にある。「ひと」「まち」に続く「いえ」。小野寺氏独特の淡々とした書き方が好き。シリーズとして読まなくてもよい。少しだけ馴染みのある登場人物に会えるのも楽しみ。悪い人が登場しないのも小野寺史宜氏らしい。読めてよかった。2025/02/20
よっち
22
社会人三年めの三上傑が気に掛ける大学生の妹・若緒。友人で妹の恋人だった大河が起こした事故以来、ぎくしゃくしている家族と友とやりきれない想いの行き先を探す物語。後遺症で左足を引きずるようになって就活に苦戦している若緒、些細なことで夫婦喧嘩を繰り返す両親、職場で対立するパート、そして何となく疎遠になってしまった友人や恋人たち。張りつめた空気が様々なところに影響を及ぼしてゆくままならない状況は分かる気がしましたが、こういう時に不安を受け止めてくれる存在がいて、いろいろと変わってゆくきっかけがあって良かったです。2025/02/10
こばゆみ
13
事故で片足が不自由になった妹と、おれ。その事故の原因を作ったのが妹のカレシ兼おれの友だち。という、他人にとっては特段大きな事件ではないけれど、当事者にとっては大問題なトピックがとても小野寺作品らしい。そしてやはりとても良かった。平井の辺りは自分にとっても割と土地勘がある場所なので、これからも推していきたい所存。2025/02/21
ohion
9
「ひと」「まち」につづく3作目。とはいえ、主人公が同じ訳でもなく、ひとつ一つ独立した物語。それこそ街、登場人物が舞台装置でどこか繋がりを感じさせる。何か大事件起こる訳でもなく、ひとりの青年のココロを順に描いていく。淡々としみじみと。なんだか暖かくなるのです、心が。2025/02/26
ナオ
8
「ひと」が面白かったけど、「まち」は何となくスルー。で、本書。理屈っぽい主人公だなーと思いつつ、読み進める。その理屈っぽさ嫌いじゃないけど。妹が主人公の友達と付き合い、2人でいるときに交通事故を起こし、妹に後遺症が残る。そんな家族の10ヶ月。多分、前作の主人公っぽい人がサラリと登場。まー、知らなくてもいいけど、荒川青春シリーズとなってるなら、読んどくべきだったかとも思った。著者は答えの出にくいけど、リアルで絶妙な設定を思いつくなーと感心。2025/03/03