出版社内容情報
貧乏だけど人情たっぷり――おけら長屋の住人たちが、涙と笑いの大騒動を巻き起こす!
215万部超の人気シリーズ早くも第二巻!
長崎から戻った万造は、相棒の松吉と便利屋《万松屋》を始めた。だが、請けた仕事を軒並み騒動に変えてゆく!
理屈をこねくり回す若者が女医のお満に弟子入り志願!?「おみたて」
常陸へ三十両をもらいに行く道中、迷子の金太が一揆寸前の農村に現れる「はらぺこ」
言葉の遅い子の優しさが、ある縁を再び結ぶ「らいぞう」の三篇収録。笑って泣ける、大人気時代小説。
内容説明
長崎から戻った万造は、相棒の松吉と便利屋“万松屋”を始めた。だが、請けた仕事を軒並み騒動に変えてゆく!理屈をこねくり回す若者が女医のお満に弟子入り志願!?「おみたて」、常陸へ三十両をもらいに行く道中、迷子の金太が一揆寸前の農村に現れる「はらぺこ」、言葉の遅い子の優しさが、ある縁を再び結ぶ「らいぞう」の三篇収録。笑って泣ける、大人気時代小説。
著者等紹介
畠山健二[ハタケヤマケンジ]
1957年生まれ。墨田区育ち。演芸の台本執筆や演出、雑誌のコラム連載やものかき塾講師を務め、2012年『スプラッシュ マンション』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
131
新・おけら長屋2巻目…『おみたて』お満に弟子入り志願の少年が現れて...。『はらぺこ』金太を実家へ連れてゆくことになった鉄斎と万松だが…。『らいぞう』お糸の息子・雷蔵が言葉の遅いことから始まった騒動は…。毎度ながら、泣き笑いが詰まった三篇は安定の面白さで、長屋のメンバーも各々が活躍するように考えられている。そして、彼らが少しずつ成長してゆく姿を読むのもシリーズファンとして嬉しい限り。あとは(何度か感想に書いたが)、鉄斎とお染の二人に素敵な将来が訪れることを望みつつ、3巻目が早めに出るのを望みつつ待ちたい♬2024/12/07
タイ子
103
新シリーズ第2弾。おけら長屋の面々に会うと何だかホッとするわ。おけら長屋と万松屋、栄屋、満天堂が彼らの居場所となり、それぞれの場所で(って、いつも栄屋にいるけど)笑いを提供する3つのお話。待ってました!の掛け声をかけたくなるように金太が主役の話もあり。金太の付き添いで万松、鉄斎の旅は予想外の出来事に巻き込まれ、あやうく金太死刑?!ほおってはおけないお供の3人。助太刀致すぞ、金太どの。それでも金太は「唐茄子いらんかい~?」3話目に登場する雷蔵の話は母と子の愛情物語。雷蔵に泣かされるとは。早くも次巻が楽しみ!2024/11/17
のり
87
酔いどれ先生・金太の故郷への道中・おけら長屋の宝の子。本作も色々な騒動があった。医の道では大きく成長した「お満」だが、機微に関してはまだまだ長屋の面々には敵わない。だが着実に人としての魅力も備わってきた。金太は相変わらず神がかった笑いをまき散らしてくれるし、「お糸」の子の「雷蔵」に対して、長屋の面々の温かな目。子育ての過程は難しい。心配の繰り返しでもある。それにしても雷蔵の痺れる一言。参りました。2025/01/19
ぶち
73
おけら長屋も夫婦ものが増えていっそう賑やかになりました。お満が始めた治療院・満天堂、お栄が始めた居酒屋"・栄屋、万造と松吉が始めた便利屋・万松屋… 新しい仕事も順調な滑り出しのようです。でも、以前と変らないことが確かにあります。自分のことは置いておいても、誰かのために泣いて、怒ってのお節介は、ちっとも変っていません。ただ、そのお節介が本所界隈に留まらずに、隅田川の向こう側や押上村、果ては金太の故郷近くの村までに広がるほどにパワーアップしてるんです。そして、泣いて、笑っての読書もパワーアップしてるんです。2025/02/08
itica
72
世間では「安心・安全の万松屋」と言われております。思わず吹いた『おみたて』。「憎しみは、また新しい憎しみを生む」を実感した『はらぺこ』は、万松や鉄斎の粋な計らいに感じ入る。そしてお冬の息子が活躍した『らいぞう』の三話。罪を咎めるより、人情が人を救う良い話だった。 2024/12/28