内容説明
織田信長は十幾つの秋、不可思議にも牛をひと呑みにする、飛び加藤なる漢と出会った。以来、信長は奇怪なあやかしどもに向き合うたび、それを明らかにする。数え六つの幼き松平竹千代と、河童を捕らえんとした折にはともに淵に入ることもした。やがて濃姫を妻に迎え、妖刀あざ丸の祟りを確かめた信長は、父の死に臨み、ついに来世への疑いを口にしたのだった!
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、小田原生まれ。東海大学卒。84年『魔獣狩り』三部作で現代伝奇の金字塔を打ち立てる。89年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、98年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞、2012年『大江戸釣客伝』で吉川英治文学賞を受賞。さらに菊池寛賞、日本ミステリー文学大賞、紫綬褒章に輝く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
36
信長を斬新な切り口で描いた作品でした。飛び加藤なる出会ったことで竹千代とあやかしに向かい合うことになります。信長自身は合理主義者らしく、怪異は信じないようですが。父の死に臨んだことで来世への疑いを口にした信長はどのような行末を迎えていくのでしょう。下巻も読みます。2025/03/15
Tomomi Yazaki
19
織田信長。人質の竹千代、のちの徳川家康を従え、小間使いするが、実は妙に可愛がってもいる。信長の質として怪異なものは信じない。なぜならそれは無知の表れ。だから神も仏も信じない。宗教なぞ、どうでもよい。そんな徹底した合理主義者であった。人を情としてではなく、機能、つまり物としてその価値を見定める。それを見極め信長の懐に入ったのが木下藤吉郎、のちの豊臣秀吉であった。信長は伴天連から、この地は球であると教えられる。それを聞き秀吉は妙案を思いつく。それが信長の野望に火をつけた。そして上巻は唐突に終わり下巻へと続く。2025/02/14
coldsurgeon
9
JAGAEとは「蛇替え」のことだという。織田信長の生涯を特異な視点で描いた物語だが、戦乱の世を鎮める方向へ導いた人物が主人公である割には、戦闘シーンの描写は、ほとんどない。飛び加藤こと加藤段蔵という妖使いが、信長の人生に関わっていく。理屈に合わぬことを嫌う合理主義者の信長が、どのようにして飛び加藤の妖と対峙していくのか。本能寺のへ、どのようにかかわっていくのだろうか。2024/10/01
NBかえる同盟
6
いつも読む獏さん、今回は信長の話。上下巻で、今のところはとっ散らかっている印象。どこに向かっていくのか、詳しくは下巻読了後に。2024/08/20
hiroy
4
方舟買った時に目についたので同時購入。他にも何点か。まったく獏先生ときたら餓狼伝やらなんやら放っておいてなんで時代劇書いてんだよ。まあ、獏先生の太閤記や宮本武蔵読んでみたいとは以前に感想に書いたが。2024/12/20
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