出版社内容情報
少年の牧野富太郎が憧れ胸躍らせた、田中芳男。
あらゆるジャンルに精通するマルチな大偉人!<解説>いとうせいこう氏
「日本博物館の父」と呼ばれた男の、知の文明開化に挑み続けた生涯。
真の文明国とは。開国迫られる幕末、幕府の命で巴里万博に赴いた田中芳男は、最先端の近代文化に衝撃を受ける。なかでも植物園ジャルダン・デ・プラントの多彩な収集品と展示方法に打ちのめされた田中は、知の蓄積と普及の重要性を痛感し、日の本初の博物館や動物園創設に奔走する――。福沢諭吉、渋沢栄一と並び、武力に頼らぬ知の文明開化に挑んだ男の壮大な人生。
内容説明
真の文明国とは。開国迫られる幕末、幕府の命で巴里万博に赴いた田中芳男は、最先端の近代文化に衝撃を受ける。なかでも植物園ジャルダン・デ・プラントの多彩な収集品と展示方法に打ちのめされた田中は、知の蓄積と普及の重要性を痛感し、日の本初の博物館や動物園創設に奔走する―。福沢諭吉、渋沢栄一と並び、武力に頼らぬ知の文明開化に挑んだ男の壮大な人生。
著者等紹介
志川節子[シガワセツコ]
1971年、島根県生まれ。早稲田大学卒業。2003年、「七転び」でオール讀物新人賞を受賞。2013年、『春はそこまで 風待ち小路の人々』が直木賞候補に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あや
12
日本に博物館を作ろうと構想し、実現に取り組んだ田中芳男の話。大河ドラマ「青天を衝け」を観た時にも思ったけれど、明治維新の前後に西洋の技術や制度を取り入れ、日本の近代化に尽力した人たちの情熱や推進力はものすごい。田中の殖産興業だけでなく、市井の人々の知識を増やしていこうという考えと、田中と並んで博物館建設に取組んだ町田久成の、日本の文化や精神の継承も必要だという考えとが噛み合った結果、上野の博物館や科学館が生まれたことを知ると、その情熱と西洋化に偏らなかったバランス感覚の素晴らしさに改めて感謝したいです。2024/08/10
はちがみっつ
1
国立博物館、科学博物館、上野動物園の立案者の一人。当たり前だか江戸生まれ。医者の家の出でもあり、早くから勉学に勤しみ、パリ博覧会のスタッフとして帯同。紆余曲折多い中、博物学を極める困難さは相当な物であったかと思う。よく通わせてもらっている身としては、創立時が分かる良書。2024/11/14