出版社内容情報
「天命に従い、生きていくのみ」
訳あって浪人の身となった男に殺しの疑いが。
逆境のなか、己を律して生きるその姿が
人生を諦めていた元手代の男の心を動かす!
浪人の高野俊太郎に、地回りの男殺しの疑いがかけられた。困窮しながらも清廉潔白さを失わない俊太郎の姿に、青柳剣一郎は目を惹き付けられる。同じ頃、小普請組支配波多野善行から依頼が。元配下が殺され、下手人と思しき朋輩だった男を捜してほしいという。男の名は高山俊二郎。俊太郎との関わりは? 剣一郎が探索に乗り出すや、またひとり元配下が襲われる!
内容説明
浪人の高野俊太郎に、地回りの男殺しの疑いがかけられた。困窮しながらも清廉潔白さを失わない俊太郎の姿に、青柳剣一郎は目を惹き付けられる。同じ頃、小普請組支配波多野善行から依頼が。元配下が殺され、下手人と思しき朋輩だった男を捜してほしいという。その名は高山俊二郎。俊太郎と関わりが?剣一郎が探索に乗り出すや、またひとり元配下が襲われる!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
140
右も左も気付いたら小賢しくて、人の揚げ足を取る奴が多い。信念など何処かに置き忘れ、誰かの顔色を伺うばかり・・そんな社会に暮らしていると、今回の浪人・高野の清廉潔白の見事さ、自分を律して生きる姿に心が魅かれてしまう。と同時に心配にもなるのだ。利用されなきゃいいなぁ。反感を買うかもしれないタイプかもなぁ・・なんてね。ちゃんと見てる人は見ている。誰にわからずとも己の心に背くなかれだよね。あぁ、今回も剣一郎の仕事ぶりが好いシリーズの60弾!面白く読んだ。2022/11/04
やま
61
① 山茶花のように気高くありたい……。南町奉行所、風烈廻り与力・青柳剣一郎の活躍を描いた物語です。幕府の勘定所の支配勘定・高山俊二郎は、上役でうる勘定の水沢辰之進と牧友太郎が不正を行なおうとしていると水沢の上役である勘定組頭・波多野善行に訴えた。水沢と牧は、逆に高山が不正を行なおうとしていると波多野に訴えた。波多野は、高山の役職を取り上げる。高山は、波多野、水沢、牧が不正を行なおうとしていたのを知る。→2023/04/11
真理そら
52
今回の長谷川様は課題提示役でイヤミな雰囲気がない、なんだか物足りないw理不尽な境遇だけれど山茶花のように生きる武士の物語と、幸せの絶頂から突き落とされた商家の元手代の新たな出発までの物語。太助は焼き芋が好きなのね。2022/10/16
Abercrombie
4
偽りのない山茶花の花の気高さが、二人の男を冤罪から救う。不器用な生き方しか出来ない男を説得する、青痣与力の言葉がとても心に響いた。でも、相変わらず偉いさんは大した罪に問われないんだなあ。2022/11/12
goodchoice
3
ついに60巻!筋立てが常に新しくなり、古びた感じを与えないところが素晴らしい。小杉さん、今後もできるだけ長く続けて下さい。2022/12/17