出版社内容情報
遺産を受け取る〝ささいな〟条件とは?
突然ふってわいた祖母の遺産相続に戸惑う佳恵。
バラバラだった家族に遺されたのは、
簡単には受け取れないものだった--。
『殺した夫が帰ってきました』の著者が描く、期限付き家族の物語。
高三の夏、一人暮らしの佳恵に、突然、祖母・雅子の相続話が舞い込んだ。既に他界した母に代わって相続することになったのは、現金と猫。しかも受け取るには、他の相続人と暮らすことが条件だという。そこには借金まみれの義理の伯母・利沙子、女装姿の叔父・幸太郎、そして遺言執行人で雅子のハトコ・環がいた。訳アリの四人と猫一匹が厄介な相続に奮闘する疑似家族ドラマ。
内容説明
高三の夏、一人暮らしの佳恵に、突然、祖母・雅子の相続話が舞い込んだ。既に他界した母に代わって相続することになったのは、現金と猫。しかも受け取るには、他の相続人と暮らすことが条件だった。そこには借金まみれの義理の伯母・利沙子、女装姿の叔父・幸太郎、そして遺言執行人で雅子のハトコ・環がいた。訳アリの四人と猫一匹が厄介な相続に奮闘する疑似家族ドラマ。
著者等紹介
桜井美奈[サクライミナ]
2013年、第十九回電撃小説大賞で大賞を受賞した『きじかくしの庭』でデビュー。21年、コミカライズ版『塀の中の美容室』が、第二十四回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さてさて
167
『何よりも謎なのは、雅子が四人で生活するようにと言い遺したことだった』。『相続』の条件に『一緒に暮らすこと』と指定された面々が一つ屋根の下で一緒に暮らす様が描かれるこの作品。そこには、遺言者・雅子の生前の思いを感じる物語が描かれていました。お互いの素性を探り合うところからスタートする先に、それぞれのとんがったキャラの饗宴が最後まで面白く読めるこの作品。”ミステリー”としての面白さも併せ持つこの作品。『相続』するための条件設定の絶妙さに思わず唸る、桜井美奈さんらしい”ミステリー”を感じる、そんな作品でした。2025/04/09
スエ
127
い、遺産相続ッ?!旦那が定年退職したらさっそく離婚。そして、紀州……じゃ無かった!「 群馬のドン・ファン」を探し再婚。次はどくさ……ヒェッ?!Σ(º ロ º๑)最近こんなんばっかり🤣イヤダワ~「正しい生き方」そんなもん、あるのかなぁ。正しく生きてたって。躓くし、転ぶし、尻もちつくし。手を繋がれたり、離されたり。終いにゃカンチョーされたりさ(桜木花道に)結果、自分の糸は自分で紡ぐしか無いと。模様を入れるのも全て自分次第。鶴みたいに自分を犠牲にはするなよ!!決まった……。味気無くも毒の無い、爽やかな一冊❢2022/12/21
モルク
109
時々なけなしのバイト代をむしり取りに来る父を持ちひとりで暮らす高3の佳恵のもとに突然母方の祖母の遺産話が舞い込む。遺言状があり、佳恵には現金と猫を…だが他の相続人たちと同居し遺言を執行するという条件がついていた。癖が強く一筋縄ではいかない同居人たち。亡くなった祖母の思い、佳恵の母との関係、金を目当てに寄ってくる人たち。ダメ人間、金にルーズな人間は再生できるのか。でもあのクズ親父は絶対またやって来る。その時、どうするかだね、佳恵ちゃん!2023/06/17
みかん🍊
101
母親は亡くなり、アルバイト代が入った時だけお金を取りに来るようなくず父親しかいない高校佳恵の元に祖母雅子の遺産相続の話が舞込み新潟の家へ行くとそこには母の弟ひまり、祖母の義理の娘利沙子と相続人が集められていた、相続が完了するまでその家で一緒に暮らすという条件に、相続執行人環と4人の暮らしが始まる、個性的過ぎる彼らにお金目当ての元彼やくずの父親までやって来て目が離せない展開、それぞれの目線から亡くなった雅子への葛藤や思い、事情も明かされて、最後は雅子の思いも分かりとても面白かった、これはお勧め。 2023/06/30
ゆみねこ
101
高3の佳恵に突然の遺産相続の話が。既に他界した母の代わりに祖母・雅子の遺産を相続することに。受け取るものは現金と猫、しかしその条件は複雑で他の相続人と暮らすこと。初めて会う義理の伯母・利沙子、女装姿の叔父・幸太郎、遺言執行人の祖母のハトコ・環。4人と1匹の奇妙な共同生活と相続を巡るお話は、面白くて一気読み。利沙子のバカさ加減と佳恵の父のクズっぷりにイライラしたが、読み終える頃にはスッキリ。お薦め!2023/04/26