出版社内容情報
伝染る謎の〝肝臓がん〟が日本を襲う?
法医学の権威・光崎教授をうろたえさせた未知なる感染症とは?
法医学ミステリー第3弾
死因はMRIにも映らない、急激に悪化した肝臓がん?――浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授のもとに、急死した前都議会議員の司法解剖の依頼がきた。埼玉県警の古手川が捜査すると、毒殺の疑いが浮上。だが光崎は、別の死因をつきとめる。法医学の権威の動揺ぶりに、得体の知れない恐怖を感じた助教の栂野真琴たち。さらに、都議会関係者から第二の犠牲者が!
内容説明
死因はMRIにも映らない、急激に悪化した肝臓がん?―浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授のもとに、急死した前都議会議員の司法解剖の依頼がきた。埼玉県警の古手川が捜査すると、毒殺の疑いが浮上。だが光崎は、別の死因をつきとめる。法医学の権威の動揺ぶりに、得体の知れない恐怖を感じた助教の栂野真琴たち。さらに、都議会関係者から第二の犠牲者が!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第八回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。幅広いテーマに挑み、斬新な視点と衝撃的な展開で多くの読者を魅了する。『ヒポクラテスの誓い』はWOWOWにて連続ドラマ化された。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
179
★★★★★★★☆☆☆法医学を扱ったヒポクラテスシリーズ第3弾。急速に進行する謎の肝臓がんにより、元議員の男が死亡する。しかしそれは寄生虫・エキノコックスによる恐るべき感染症だった…。浦和医大の光崎や真琴、埼玉県警の古手川らお馴染みのメンバーが感染源を突き止めるべく東奔西走する。感染した議員らが命に代えてでも護ろうとする秘密とは。そこに何者かの意図が介在したのか。初出は2017年だが、パンデミックなどその後のコロナ禍を予見したような内容に驚いた。議員の視察先がNYではなくパリ(エッフェル塔)なら尚良かった。2024/01/30
KAZOO
116
中山さんの法医学者シリーズ3作目で、最初は短篇集だと思っていたのですが事件が連続的に続きその謎が解明されます。今回はニューヨークまでの出張があったり都議会議員の先生たちがからんで、さらには性病、果てはエキノコックスという専門の話なども出てきて作者の知識の幅広さに驚かされました。最後はなんとまあ…、という感じではありました。2022/09/21
ふじさん
115
浦和医大法医学教室にの光崎教授の元に、急激に悪化した肝臓がんで急死した前都議会議員の司法解剖に依頼がきた。埼玉県警の古手川の捜査では、毒殺の疑いが浮上したが、光崎は別の死因を突き止める。今回は、この死因を巡る題材で、物語は展開する。死因の究明の段階で、都議会議員の海外視察での疑惑が浮上し、真琴とキャシーはニューヨークに調査に出向く。怒涛の展開で話は進み、人間のエゴや個人の打算、アメリカ社会の人種差別等が絡んで、最後はいつもながらの思わぬ結末を迎える。今のコロナ時代だからこそ読んでいて怖さを感じる。 2022/11/26
ま~くん
107
ヒポクラテスシリーズだから勿論、浦和医大法医学教室が舞台になるのだが、今回は国外迄真琴とキャシーが出陣。急死した前都議会議員の死因に不可解なものを感じ取ったお馴染みの光崎教授。更に立て続けに都議会関係者も同じ症状で死亡した。原因を突き止めるが、何故発症したのか皆目検討がつかない。関係者も全く捜査に協力をしてくれない中、埼玉県警の古手川がある情報を掴んできた。真相究明迄の過程で出てきた事実は実際にありそうで頭にくる。「真犯人はお前だ!」的な結末ではなかったが、糞みたいな奴らには相応の鉄槌が下されるであろう。2023/04/10
はにこ
83
肝臓がんでの突然死として持ち込まれた話だったが、寄生虫のルーツ探し旅へ。真琴とキャシーはNYに出張。これもこれでなかなか良いコンビ。何年も体に寄生虫飼うなんてめちゃ怖いね。キャシーの生い立ちもうかがい知ることができた。最後の展開にはびっくり!!これが中山七里だねぇ。2025/05/22