出版社内容情報
十屋龍之介は、高校生ながら、古書を見極め販売する「セドリ」。ある日、たまたま見つけた古書店で、和洋折衷の服装をした謎めいた男、朝香裕也から、いきなり「お前が盗んだのか?」と問われ……?
内容説明
東京都、二子玉川。高校生の十屋龍之介は、父の遺した蔵書が高く売れたことがきっかけで、古書を見極め売買する「セドリ」になる。ある日、多摩川沿いの古書店を訪ねた彼は、洋服に羽織姿の店主・朝香裕也から万引きを疑われる。朝香の店は開店休業中だが、大切な本が盗まれたらしい。それは朝香が作製した「贋作本」。捜し出したら好きな本をやる、と言われ、龍之介は本捜しを手伝うことに…。新感覚ビブリオ・ミステリ!
著者等紹介
石川智健[イシカワトモタケ]
1985年、神奈川県生まれ。2011年、『グレイメン』で国際的小説アワード「ゴールデン・エレファント賞」第2回大賞を受賞。12年には同作品が日米韓で刊行され、デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
63
キャラクター性を前面に押し出した小説でもなく、かといってガチガチのミステリでもなく。不思議な浮遊感のようなものがあった。2019/12/02
坂城 弥生
52
絵画を芸術品ではなく資産や投資物として見る人を嫌悪する芸術家の気持ちを今まで理解不能だと思ってたけど、この作品の本を金儲けの道具としか見てない高校生の存在で、確かに不快だ。と理解しました。それだけです。不快感を覚える人を好きになれないので、主人公に感情移入して読めなかったのが残念かな。2020/12/04
hirune
52
子どもや女性に辛辣で容赦ない愛想の悪い大人が出てくる本に近頃よく出会す気がするんですが、流行りなのかしら?でも表面は愛想が良くて腹に一物の悪い大人よりなんぼかマシですね。朝香は態度は最悪でも意外と面倒見もいいしね😅本筋の朝香が盗まれた本の回収が遅々として進まず、朝香、吟子、十屋の3人とも親との微妙な関係の全ては明らかにならず解決もしてないから まだまだ先が長そう…かな?2020/03/24
よっち
41
母子家庭で高校がバイト禁止ため、父の遺した蔵書で「セドリ」を始めた十屋龍之介。多摩川沿いの古書店を訪ねた彼が、朝香が作製した贋作本探しを手伝うことになるビブリオ・ミステリ。店主。朝香の依頼で本の探偵・吟子とともに贋作本探しを始めた龍之介が遭遇する、彼の父親がいない理由、ネットで出品された贋作本の真相、謎の句読点の落書き。この手の本にしてはあっさりとした読みやすさがやや意外でしたが、残された本を通じて見えてくる何とも複雑な心情と、抱えているものがありそうな登場人物たちのその後をまた読んでみたいと思いました。2019/12/14
み
33
新刊棚で見かけた作品、初読みの作家さん。う〜ん、何となく読了^^;中心キャラに解決してないとこがあるから、続編がありそうですが、読まないかなぁ。高校生が、セドリでお小遣い稼ぎって実在しそうにないような。2020/01/05