出版社内容情報
昔の思い出に生きる女を救えるか、平七郎――。
二世を誓った男を追って、田舎から江戸に出てきた女が初めて見た、許婚の正体とは!
立花平七郎は万年橋から身投げをはかったおなみという女を助けた。二世を誓った男が江戸で消息を絶ち、後を追ってきたという。途方に暮れるおなみは、よみうり屋のおこうの下で働き始める。ところが、店にも馴染んできた頃、今度はおなみが集金に出たまま行方知れずに。持ち逃げか、かどわかしか――平七郎は、消えた男が女連れで浅草寺にいたと耳にするや……。
内容説明
立花平七郎は万年橋から身投げをはかったおなみという女を助けた。二世を誓った男が江戸で消息を絶ち、後を追ってきたという。途方に暮れるおなみは、よみうり屋のおこうの下で働き始める。ところが、店にも馴染んできた頃、今度はおなみが集金に出たまま行方知れずに。持ち逃げか、かどわかしか―平七郎は、消えた男が女連れで浅草寺にいたと耳にするや…。
著者等紹介
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。シナリオライターとして活躍する傍ら、小松左京主宰の「創翔塾」で小説を志す。2013年には、「隅田川御用帳」シリーズで第二回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
74
北町奉行所橋廻り同心の立花平七郎は、橋の点検をしながら事件を探索し、悪を退治します。藤原緋沙子さんが書く江戸の風情がすごく好きです。こまやかに人情味たっぷりに描いていきます。平七郎と同僚の平塚秀太の掛け合いが面白く読むのが楽しみです。長く続くことを楽しみにしています。シリーズ15作目。2021.10発行。字の大きさは…中。2022.02.08~10読了。★★★☆☆ 此度は、竹笛、つくつく法師、の中編2話です。つくつく法師が、平七郎の苦悩が良く描けていて解決した後の喜びが大きいです。🌿続く→2022/02/10
kei302
61
「竹笛」「つくつく法師」 文字が大きめで読みやすい祥伝社文庫。橋廻り同心シリーズ。今回は2つとも、悪い男にひっっかった女性の話。 騙されたり、お金を持って行かれたり。うんざりですが、最後の締めくくりかたに温もりがあって読後感は好い。2022/03/15
ひさか
17
2021年10月祥伝社文庫刊。書き下ろし。シリーズ15作目。おなみ、おいさという二人の女性を描く、竹笛、つくつく法師の2つの連作短編。いつもと少し勝手が違う奮わない展開のような気がします。2022/01/16
あき
6
久しぶりの橋廻り同心。今回は悪党に食い物にされる純朴な娘の話がふたつ。どっちも勧善懲悪でスッキリ出来た。工藤と亀井はとうとう定町廻りを外されて定仲役へ。橋廻りへの助役は今まで通りで、四人体制は変わらず。はぐれ者たちが集まる部署が花形部署を差し置いて事件を解決するのは小気味よい。定番の一色さまのおやつは煎り米。2021/12/13
のんぶぅ
2
つくつく法師の鳴き声が二・三日前から聞こえなくなりましたが、久しぶりに立花平四郎に出会えました。十年前に箱根の山深い人里離れた小さな温泉宿にて出会いし宿の娘。渓流の石に足を滑らせ、右足を挫いてしまった平四郎に湿布の治療をしてくれた、数日後に治療を終えて、平四郎の傍に寄り添いつつ座り、二人で聞いたつくつく法師の声を、遠い昔の淡い恋物語があったとは。著者の真骨頂に浸ることができました。 2021/10/16