出版社内容情報
昭和四十年、米軍基地の街。
かつての仲間たちが、暴力の応酬の果てに見たものは――。
哀しいほどに不器用な、男たちの物語。
昭和四十年、米軍岩国基地近くの高校に通う三人の少年――アキラ、ジン、ノンタ。一見チグハグな彼らは、孤独であるがゆえ、それぞれ固い絆で結ばれていた。ある日、アキラが母親の経営するバーで見つけた一挺の拳銃が、三人の運命を大きく狂わせることに……。十年後、ある者は警官に、またある者はヤクザに身を落とした彼らを待ち受けていた、あまりにも皮肉な運命とは。
内容説明
昭和四十年、米軍岩国基地近くの高校に通う三人の少年―アキラ、ジン、ノンタ。一見チグハグな彼らは、孤独であるがゆえ、それぞれ固い絆で結ばれていた。ある日、アキラが母親の経営するバーで見つけた一挺の拳銃が、三人の運命を大きく狂わせることに…。十年後、ある者は警官に、またある者はヤクザに身を落とした彼らを待ち受けていた、あまりにも皮肉な運命とは。
著者等紹介
樋口明雄[ヒグチアキオ]
1960年、山口県生まれ。2008年に刊行された『約束の地』で、第二十七回日本冒険小説協会大賞、第十二回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年『ミッドナイト・ラン!』で第二回エキナカ書店大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
29
読友さんのレビューでこの作品を知り読みました。初読みの作家さんかと思ったら、過去に1作読んでいました。昭和40年代の岩国を舞台としたヤクザもの。まさしく「仁義なき戦い」と同時代のお話。特に昭和のヤクザものが好きな私としては、面白く読めました。 2025/01/08
コリディ
10
6点。京都旅行用文庫本その3。樋口さんの出身地で、米軍基地があり、あの仁義なき戦いの舞台広島の影響を強く受けた岩国市が舞台の、雰囲気たっぷりの設定。途中若干の陳腐さを感じさせるが、まあこんな終わり方なんだろうなあと納得。2024/12/31
ichi
10
【図書館本】『ダークリバー』と重なる部分があり、続けて読むと面白い。ジン、アキラ、ノンタたち3人の少年期〜青年期のストーリー。二人はヤクザに、一人は警察官に。なんとも辛く悲しい読了感。2022/02/10
すきま風
7
冒頭から哀しみが伝わってくる感じがあり、終始切ない展開だった。当たり前の日常の中にあちらの世界の人間がいて、母と関係のある組の者に可愛がられていたアキラ。米兵達と活気のある夜の街、幅を利かせる組の者。筋物と堅気の人間が共存していた時代。そんな中で友人となったジン、ノンタの3人。30年後の再会と将来の夢を語り合うも、運命の歯車は残酷で…時代と共に変わっていく者、果たされることのなかった夢、厳しい現実が続き、終始哀しみが漂う。ラストがまた切ない。ぐっと読み手を引き込む話だった。2021/11/16
りちゃ
5
昭和四十年、米軍岩国基地近くの高校に通う三人の少年。各々の事情でバラバラに。ヤクザ者に警察官。不満を抱えながらも生きている。再び三人が会う時、何が起こるのか…。三人で夢を語ったこともある。どうにもできない現実。切ないなぁ。2021/12/16