内容説明
返弥陀ノ介が瀕死の重傷を負った。公儀十人目付筆頭片岡信正の命による、越後津坂藩内偵の最中だった。津坂藩は譜代ながら跡継騒動を抱え、その陰に見え隠れする御用商人の不審な噂が絶えなかった。公儀としても政情の不安は見逃せず、信正は唐木市兵衛に引き続きの探索を託した。友の惨劇に市兵衛は、仇を討たんがため潜入するも、意表を突く敵の罠が…。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務を経て執筆業に入る。2010年に刊行された『風の市兵衛』(祥伝社文庫)がシリーズ化されるや、圧倒的支持を得る。18年には連続テレビドラマ化され、“そろばん侍”が人気沸騰、お茶の間に熱狂的ファンを生んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
87
風の市兵衛 弐「寒月に立つ」29巻。越後津坂藩の御家騒動の内偵で、返り弥陀ノ介が瀕死の状態に、兄片岡信正から依頼で役目を引き継ぎ市兵衛が探索をはじめるが、弥陀之介が負傷したり、飛び道具がでたり、市兵衛さんの養子縁組みの話がでたりで、何時もと違う感じでした。2022/01/21
やま
86
江戸で旗本家の勘定を見る用人を家業とする唐木市兵衛の活躍の物語です。久しぶりに読みだすと、色んなことが思い出され何か家族のような感じがしてきます。少し前は、3ヶ月周期で書いていたものが、この頃は半年周期になったので、読みだすと懐かしくなってきます。もしかして時代小説が売れなくなったのか…と考えてしまいます。この物語は、大変好きなシリーズです。特に市兵衛の静かに人を包み込むような人柄と風の剣がいいです。シリーズ29作目。2021.09.09~10読了。字の大きさは…中。★★★☆☆2021/09/10
真理そら
63
鬼しぶの息子も見習い同心になって順調に成長しているし仲間たちが飲み食いする居酒屋もできたし…でもあの弥陀ノ介が瀕死の重傷。小さな茶店を営む清七とおさんに助けられてどうやら回復の方向に向かってはいるが今回は彼の活躍がない。41歳になった市兵衛に前作『乱れ雲』にも登場した5千石の旗本・広川家への婿入り話が…相手の楓さんがどんな女の人か次巻では分かるのかな。2021/07/22
ひさか
28
2021年7月祥伝社文庫刊。書下ろし。市兵衛シリーズ29作目。探索中に瀕死の重傷を負った弥陀ノ介の仇を討つための市兵衛の活躍が楽しい。前半の冗長な語りに閉口したがそこをがまんすると面白い。渋井やその手下の力を借りて、津坂藩のお家騒動に巻き込まれた家族を救う展開は圧巻。市兵衛の剣技の冴えにも堪能。お上から扶持を貰う話やお見合い話等、次の展開が気になります。2021/08/23
み
27
弥陀ノ介さんの代わりに市兵衛さん活躍♪久しぶりに青さん登場にニマニマ、お嬢さんまで(^^)とうとう上さまにまで、知られちゃって、これからの市兵衛さんは??2021/09/20