内容説明
連続殺人鬼、死刑執行さる―。犠牲者は全て女性、遺体を西洋人形に模して展示した犯人・雛形に、二十年の時を経て正義の鉄槌が下った。だが執行を機に、新証拠の存在が報じられ、さらに当時の捜査担当が証拠捏造を遺書で告白して自殺…。冤罪なのか?同級生が事件で犠牲となり、今は神奈川県警捜査一課警部補となった剣崎恭弥は、真実を求め捜査に乗り出す。過去に負ったトラウマから犯罪を憎み、単独捜査も辞さずに犯人を追い詰める一人の刑事の姿を描く、正統派警察小説。
著者等紹介
柏木伸介[カシワギシンスケ]
1969年、愛媛県生まれ。横浜国立大学卒。第十五回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、2017年に『県警外事課クルス機関』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
49
「おそらく」なんて曖昧な事実はここにはない。犯人か犯人じゃないか。2つに1つだ。真実は何処にある?終わらない悲劇が警察組織最大の狂犬を生みだす。目の前は常に暗く、一歩進むごとに罪の重さが増していく…。犠牲、犠牲、犠牲。その犠牲は真相追及のための生贄か?ただし、一番の生贄は警部補・剣崎恭弥、彼自身だということにまだ気づいていない。それを気付いているのは、きっとたった一人皮肉にもあの人だけだろう…。同級生が犠牲者となった20年前の事件、囚われた後悔。単独行動で猟奇連続殺人犯を追う狂犬刑事の悪夢を共に見る一冊。2024/02/23
GAKU
37
懇意にさせていただいている読友さんのレビューに惹かれ、読んでみました。”狂犬”と呼ばれている警部補剣崎。命令無視の単独捜査、一人で犯人を追い詰め射殺とあだ名の通りの刑事?と思いきや過去のトラウマを抱えて実は危うい精神状態。アンバランスな主人公と二転三転のストーリーで一気読み。しかもまだまだ予断を許さない終わり方。これは続けて第2作も読まないと。図書館でシリーズ3作まとめて借りてきて良かった。2024/07/13
うまる
31
刑事もの。実際にはダメだろうけど、物語においてはこういう単独行動も辞さない刑事って安定の面白設定ですね。でもありがちな熱血正義感じゃなくて、ちょっと病んでてギリギリの所で闘ってるのが渋いです。登場人物と役職がいっぱいなのと、一文がすごく短い箇条書きみたいな文章が読み辛くて、序盤は気分が乗らなかったけど、中盤からは事件も人間関係も複雑に絡んできて続きが気になる楽しさになりました。終盤の捻りもなかなか良かったです。シリーズ化したら面白そうだけど、それまでこの人数覚えてられるかしら・・・。2021/03/05
たーさん
16
刑事達がチームワークで事件を解決させる話もいいけどやっぱり独断専行、一匹狼の刑事ってカッコいいし心惹かれるですよね(笑) 独断専行で上から疎まれる県警捜査一課の警部補、剣崎恭弥。名前をもじりハマの「狂犬」と疎まれる刑事。初っぱなから命令無視の単独行動。狂犬刑事が挑むのが自身が当事者になり刑事を志すきっかけになった連続殺人事件。犯人が既に逮捕されたのに関わらず20年の時を経て同様の事件が。精神安定剤が手離せない刑事って珍しい設定。自分を追い込みながら事件を追う狂犬刑事。もーハードボイルド(笑)面白かった❗2023/05/03
くりのすけ
6
これはシリーズ化されるのかな? 最後の犯人に迫るあたりは読み応えがあり、そう来たかと思ってたところに、さらにどんでん返しが。 うーん、最後までやられました。2021/01/26