内容説明
浅草花川戸近くの橋場町の渡しで追剥ぎ騒動があった。疑われたのは自身番の書役可一が妹のように可愛がっているお志奈の亭主三太郎だった。三太郎は札付きのろくでなしで、用心棒風体に攫われてしまう。身を案じたお志奈は、単身、仰天の救出行に打って出た!そこで出会ったのは、病弱の夫を養う浪人の妻、南町奉行の妻―三者三様の夫婦の絆を描く至高の時代小説。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務を経て執筆業に入る。2010年に刊行された『風の市兵衛』(祥伝社文庫)がシリーズ化されるや、圧倒的支持を得て、二二五万部を突破。18年には連続テレビドラマ化され、熱狂的ファンを生んだ。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
85
花川戸町自身番日記2作目 2020.11発行。字の大きさは…中。 お志奈の夫・三太郎は、寄合旗本・安佐野家の賭場から帰る読売屋・吉田屋を脅して金を脅し取ります。その三太郎が、安佐野家に捕まり助けるために、お志奈が、南町奉行の奥方・瑞江を誘拐します。お志奈が頼った先には、女敵き討ちによって想い人を討たれた女・須磨がいました。この3人の女の生き方の物語です。読むのに時間が掛かり、そして、物語に入って行けませんでした。次作以降は、読むのを中止いたします。 2021/01/26
のびすけ
23
花川戸町自身番日記の第2弾。前作は連作だったけど、今回は長編。悪事を働き、捕らえられてしまった三太郎を救おうと、お志奈はとんでもないことを仕出かす。お志奈が大胆なら、瑞江も大胆。二人の掛け合いが面白い。最後、同心・羽曳と瑞江の粋な計らいに温かな希望を感じた。2023/09/18
ベローチェのひととき
13
先日、神の子の解説を読んだら、第2弾は3人の女房が繰り広げる物語と紹介されていて、どうしても読みたくなりネット購入した本。神の子は3編の短編集だったが、今回は長編だった。今回も一気に読み終えた。お志奈と須磨のこれまでの生き様がとても物哀しい。今回もビターエンドであったが、やっぱりそういう終わり方だよね。だけど、最後はちょっと驚き、ホッとした。2022/08/06
kazukitti
5
意外にクソ同心かと思ってた羽曳が味のあるキャラだったw この巻はオムニバス形式だった前巻と違って、エピソード単位でメインになるキャラはいつつも、最後に全部ひとつの話としてまとまる流れだった。主人公は狂言回しにすらなってないようなw 前巻のキャラのその後もちょっと出てて、フラ男は所帯持ちになってた反面、話の都合でかシンパパ船頭にはスポット当たらず、凄腕手習い屋師匠の剣劇シーンはスッキリではあった。三者三様の「妻」の話。しかし、でもこのボンクラの最後の善行ってのはなぁw 2021/06/24
Suzu
3
花川戸町自身番日記シリーズ第2弾。お志奈、そして須磨。悲しい女の話。お志奈は、もう少しやりようがあったと思うけど三太郎を助けるために必死だったんだよね。須磨も、常敏が病気にさえならなかったら何とかなったのかもしれないけど。ただ二人とも今後は自分のために生きてほしいと思った。これでこのシリーズ終わりなの?2021/12/31