内容説明
東京郊外、廃寺となっていたお寺がリニューアルした。「任侠寺」という。本堂から目、鼻、口、眉のそれぞれに存在感がありすぎる、異相の坊主が現れた。名は天涯。ひとたび発せられる言葉は凄まじい罵詈雑言、だが、時に心に沁みる説教をする。そんな彼のもとに、鉄砲玉をやらされた下っ端ヤクザが飛び込んできて…。世知辛い事件や深い悩みも一刀両断の痛快人情小説。
著者等紹介
向谷匡史[ムカイダニタダシ]
1950年、広島県呉市出身。拓殖大学を卒業後、週刊誌記者などを経て作家に。浄土真宗本願寺派僧侶。日本空手道「昇空館」館長。保護司(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
172
読み友さんのレビューに誘われて。面白かった!寺の名は『任侠寺』坊主の名は天涯。存在感がありすぎの風体に発する言葉は罵詈雑言。だか、関西弁で真を突く説教が沁みる。もっともっと続きが読みたい。「まさかがちと狂うたら"真っ逆さま"や」いつか使いたい!(笑)2021/05/13
とし
79
面白いですね。リニューアルされた「任侠寺」にの住職天涯さん、言葉使いは悪いは説教も強烈でも心に沁みますね。 表紙に描かれた天涯さん想像以上にピッタリ。 2021/06/29
はつばあば
51
読み友さんが送って下さった本。極道保育を読了後に読ませてもらえてサイコー!。いやぁほんと痛快爽快天涯さんです♪。口も顔も悪いけどアツ~イオッサンです。元ヤーさんだと思います。否、元ヤーさん確実に。経験値に基づく説教。これがまた最高。うちの住職に爪の垢でも喰わせたい。どちらか言うと京都のボンさんや、恵方と重なって胸糞悪い。いやいや浄土真宗から禅宗に亭主の方に宗旨替えせにゃならん私がそんな言葉を使たら亭主側のご先祖さんが引かはる(^^;。おとなしゅうレビューを書くべきところですが・・こういう坊さん好きやわぁ2021/11/19
Walhalla
34
任侠寺というお寺の住職が主人公です。ほぼヤクザのような風貌で、アンタッチャブルな雰囲気が漂いますが、実はとても人情味があって、そのお説教は心に沁みますね。「赦しを請うという気持ちが残っている限り、人間はまっとうになれる」。著者の向谷匡史さんはお坊さんだそうで、何だかありがたい気持ちになります。2021/12/17
禅
22
任侠寺の住職は関西系の元組長。豪放磊落な性分なのか良いこともスケベな所も全てストレート。何に置いても一本筋が通っている。ちょくちょく良い説教があり関心させられた。サクサク読めて面白かったです。2023/12/21