内容説明
元服を目前に控えた伊吹藤士郎は、天羽販上士の嫡男として何不自由ない生活を送っていた。だが突然、父の斗十郎が、豪商と癒着した咎で捕縛されてしまう。無実を信じながら母や姉と共に不安な日々を過ごす中、ついに斗十郎に切腹の沙汰が。一目会うべく牢屋敷に忍び込んだ藤士郎に、斗十郎は介錯を命じるが…。ひたむきな生を描く青春時代小説シリーズ、第一弾!
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年、岡山県生まれ。青山学院大学を卒業後、小学校講師を経て作家デビュー。「バッテリー」シリーズで野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞を受賞。『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。児童文学から、ミステリー、SF、時代小説など幅広いジャンルで活躍している。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鍵ちゃん
26
元服を目前に控えた伊吹藤士郎は、天羽藩上士の嫡男として何不自由ない生活を送っていた。だが突然、父の斗十郎が、豪商と癒着した咎で捕縛されてしまう。無実を信じながら母や姉と共に不安な日々を過ごす中、ついに斗十郎に切腹の沙汰が。一目会うべく牢屋敷に忍び込んだ藤士郎に、斗十郎は介錯を命じるが。介錯は辛いが、それこそが子に託した真意。藤士郎強くなれと思いながら読めました。真意を貫くため江戸へ第二章へ続く。2021/09/03
雲母
24
面白かったです。捻った人物設定にため息が出ました。父が藩から切腹言い渡され、その介錯を父が息子に言い渡す。その真意はどんなものだったか。誰からも好かれ信頼されていた父に隠された過去。天羽藩内の政に元服前の若者が否応なく巻き込まれていく。息子藤士郎が事の真相に気づき出す様子が巧みで引き込まれました。終わり方も力まずある意味清々しい。少年から大人へと変化した姿が凛々しく想像出来ました。2022/06/13
剛腕伝説
18
久々の【あさのあつこ】に期待は膨らんだが、結果は残念なものだった。小藩の汚職に纏わる話で、主人公・藤士郎は汚名を着せられた父・斗十郎の介錯をする。元服前の若者が父の首を跳ねると言う凄惨な経験をする。にも拘らずまるで青春群像劇の様な場面が多すぎて、鼻についてしまう。父の首を跳ねているのに、デコピンをされ、笑っている場面とか、見ていて辛くなってくるような展開が多すぎる。かと思えば、親友で幼馴染みだった男が、いきなり刺客になったりと、構成が荒唐無稽。3巻完結だが、1冊でギブアップ。2023/02/16
やな
18
うーん、面白いんやけど、なんか余計なエピソードが多く、集中して読めんかった(~_~;)とりあえず続きが気になるから次も読みます。2020/09/12
流石全次郎
15
本屋で時代物を読みたくなったと思った刹那、目についた本。いわゆる表紙買い。全3巻(らしい)。謎だらけの第1巻。中盤以降ゆるやかに謎が解けたり解けなかったり。続きを読んでいかないと1巻しか読んでいない現段階で感想は語れません。ただ、あさのあつこさんらしいストーリー運びで、青年達の心の揺れを描きながら物語に導かれていきます。2020/09/27