内容説明
育ての親だった祖母の入水自殺、父親の再婚相手から受けた虐待。実の母親を頼って上京するも、すでに私の居場所はどこにもなかった。自身も離婚し、再婚した夫も介護の末、癌で亡くした。傷だらけで、好んで振り返りたい人生ではなかった。それでも、今は自分なりに精一杯生きて来た日々を愛しく思う―。江戸川乱歩賞作家による自伝的エッセイの文庫化。
目次
1 忘れられた子供(父の花嫁;罌粟の咲く家;座敷童子が出て行った ほか)
2 「血」はやっかいなもの(血の繋がりってなんだろう―父のこと;血の繋がりってなんだろう―母のこと;勉強嫌いのツケは必ず回ってくる ほか)
3 事件はまだまだ起きる(認知症のはじまり;母を施設へ;一人暮らしが鍵をなくすと ほか)
著者等紹介
山崎洋子[ヤマザキヨウコ]
1947年京都府宮津市生まれ。1986年『花園の迷宮』(講談社)で第三二回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。横浜を舞台にした作品を多く手掛け、ノンフィクションなど活動の幅を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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定年(還暦)の雨巫女。
12
《私-図書館》あまりにも、壮絶過ぎて、読んでいてつらかった。今からでも、いいから幸せになって欲しい。2021/11/15
mami
11
山崎さんの壮絶すぎる生い立ちを読んで言葉を失っている。文章にしきれなかった思いはもっと沢山おありのことと思う。大変な半生を語って下さってありがとうございます、という気持ち。2021/11/06
たちばなあやか
7
凄まじいの一言。山崎さんの本はここまで未読だったのですが、このような壮絶な過去を持って、それでも希望を捨てなかった。(もしくは捨てられなかった?)私も色々と過去にあったので(母からの精神的な虐待等)身につまされました。それにしても、多分、もっと色々あったろうに、ページ数が少なかったのが残念。一気読みでした。(バスの中で読んでしまいました。読む手が止まらなkったので)横浜のおしゃれな方だなぁと思っていたのですが。人って、悲しみや辛さを知ることで、強くなれる。生きていてくれて、本当に良かった。2025/09/14
よみ
7
山崎さんの幼少期については本当に可哀想に思ったけど、大人になってからの記述については、自分に非がありそうな部分は上手く隠したな…という印象、好きな雰囲気の本じゃない2023/04/30
こばゆみ
5
複雑な家庭環境で育った幼少時代、大人になってからの母親の介護や旦那さんの看病など、決して明るい話題ではないエッセイ。けれども不思議と読みやすく、なんだか前向きな気持ちになれた。自分ばかりが辛いんじゃないと思えることが、誰かの救いになったりするのだろうな。。。2020/03/28