内容説明
亡き妻の命日に妹まで喪うとは―弁護士、波多野丈二の妹は世間を震撼させる連続猟奇殺人の五番目の犠牲者となった。被害者の遺体には一様に、局部に異物が挿入され、顔や胸に赤い塗料が吹きつけられていた。妻と妹、そして被害女性にある共通点を見つけた波多野は、事件を調べ始める。しかし、そんな彼を嘲笑うように第六、第七の殺人が…。歪な愛を描く長編ミステリー。
著者等紹介
笹沢左保[ササザワサホ]
1930年、横浜生まれ。61年、『人喰い』で第十四回日本探偵作家クラブ賞を受賞。2002年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪風のねこ@(=´ω`=)
67
大の大人が昼にカレーライスとチョコレートサンデーをかっ食らう。男女の価値観、日本と世界の価値観を”時代”として切り取とられた作品を、現代と付き合わせて考えるといった事も面白い。波多野は推理力を働かせ真実に行き着く。だがそういった自己中心的な思考が妻を自死に追い込み、多美子を追い込み、倉沢を追い込み、そして自分をも追い込んでしまったのだと思う。犯人はキラキラした目を波多野に向けたと云う。恐らくは人を殺める時もそんな目をしていたに違いない。異常さの中に正常な事を見出そうとするかのように。2021/12/29
coco夏ko10角
24
妹が連続猟奇殺人の犠牲者に…。男女の価値観や考え方がちょっとなぁ。まあ昭和に書かれた作品だとよくあることなんだけど、いつも以上に「女はこういうもの」みたいなのが強くてなんだか。2020/03/14
ちょん
22
分厚くて読み応えのある本。ちょっと男女の考え方が古いなとか偏見あるなぁと思いながら読みました。にしても、あの終わり方...。不満。この分厚さにあのラストは不満(笑)2021/11/16
けんけんだ
21
章が細かく別れていて読みやすかった。内容も連続殺人の犯人探しで何度も節目が来る感じは悪くない。他の作品もこういう書き方なのだろうか、読んでみようかと思います。2019/10/26
JKD
16
民事弁護士の波多野は残虐魔「影」による連続猟奇殺人の被害者となった妹の無念を晴らすために捜査本部と違う視点で裏調査を進める。やがて共通点という切り口で「歪んだ真珠」の謎を解き犯人を特定するが、同時に他の容疑者2名も浮上し、事態は混乱してくる。 現職刑事の山城と私的なコンビを組み、波多野の執念と悪戦苦闘の末に突き止めた残虐魔の正体がまさかの人物だった…。波多野の主観を裏付ける事実が怒濤のように明らかとなっていく中でいろんな異常者が出てくる。中盤以降は先が気になって仕方ないほど物語にのめり込んでしまいました。2020/02/09




