出版社内容情報
小杉健治[]
著・文・その他
内容説明
千両という高額な賞金が人気の、谷中大京寺の富くじに絡む殺しが続く。富札を財布ごと掬り取った男は堀に浮かび、札を預かった小間物商は刺殺される。抽選前なのに、なぜ?札には何かいわくがあるのか?同じ頃、風烈廻り与力青柳剣一郎は、陰富と呼ばれる御法度の富くじの取締りを命じられる。老中からのお達しというが…。庶民の夢、富くじの背後に蠢く闇を斬る!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する。以降、社会派推理、時代小説の旗手として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
150
今回は富くじと陰富のからくりの一件。掏って拾って手元にたまたま来た富くじが当たった!そして関わった者が殺される。寺社奉行やご法度の怪しげな陰富も絡んで、青痣与力は東奔西走する。太助は明るくてキャラも良い。るいの夫・弥之助の出世より情に厚いところもるいや青痣与力の思いと同じなのもますます良い。いつの世も市井の人々は『宝くじ』に夢を掛けるんですよね。そこはからくりなどあってはならないのだ!今回も安定の面白さでした。2018/07/23
とし
97
風烈廻り与力・青柳剣一郎「夢の浮橋」42巻。文七の抜けた分、太一 がしっかりして大活躍だったのでは、剣一郞、弥之助父子の清らかな失敗も良いのでは。2019/01/18
ベルるるる
20
すっきりしない終わり方だったように思えるけど、これでいいのかなあ~。悪質でないと弥之助が(勝手に)判断したら、罪のない妻子のために、これからも見逃すのかな~。「父子でお役目に失敗したけど、清々しい」・・??2018/09/19
真理そら
19
高岡弥之助(御徒目付・るいの夫)と太助の出番が多い。今回も太助は有能でいいキャラだ。が、文七が出ないと多恵さんの出番がなくなるのが少し寂しい。今回はレギュラー陣以上に事件関係者が個性的で楽しめた。なぜか『毒薬の小壜 (シャーロット・アームストロング)』を思い浮かべてしまった(全然違うのに) 2018/07/12
夢子
18
江戸時代にも宝くじに似たものがあり富くじというらしい。ら今回は富ぐしを金持ちのお店の店主と、それを取り締まる役人が不正にお金を儲けるのを青柳剣一郎が解決するお話でした。娘類の婿殿も爽やかに活躍してました。めでたしめでたし。2025/03/03