内容説明
病弱の妻の薬礼を得んがため人斬りに身をやつした信夫平八。断腸の思いで平八を刀に懸けた唐木市兵衛は、彼の忘れ形見、小弥太と織江とともに新しい生活を始める。日々、絆を深くする市兵衛と子どもたち。そんな中、岡っ引の文六、お糸夫婦が寝込みを急襲された。さらに、幼い兄妹が行方不明に―子どもたちの奪還のため死地へと向かう市兵衛に“修羅の刃”が迫る!
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務を経て執筆業に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
95
風の市兵衛 弐「修羅の契り」。市兵衛さんのキャラが変わったのか、小弥太と織江を引き取り一緒に暮らし始めたのにあっさりと北最上へ送り出してしまいましたね?まだまでこれから物語に絡んでくるのか次巻の展開を楽しみ。2018/06/14
藤枝梅安
78
信夫平八を斬った市兵衛は、平八の二人の子供・小弥太と織江と広めの長屋に引っ越した。信夫平八に人斬りを依頼していた盗賊の元締・多見蔵は、平八を単なる請け人ではなく、苦難の生活をする同士のように感じていた。多見蔵は平八の仇を討つため、手下に文六とお糸を襲わせ、さらに、小弥太と織江を連れ出し自分の下で暮らすように画策をする。しかし、企ては露見し、市兵衛は多見蔵との壮絶な果たしあいの末、多見蔵を斃す。その光景を目の当たりにした小弥太と織江は、北最上の母親の実家に引き取られ、市兵衛は再び一人暮らしを始める。2019/08/16
のびすけ
30
今回の市兵衛さんは前巻からの連作で、前巻取り逃した多見蔵と決着を付けるお話でした。市兵衛が面倒を見ていた小弥太と織江がけなげで可愛らしく、二人が郷里に帰ってしまって残念。もう少し市兵衛との微笑ましい生活を読みたかったな。大久保家で渡り用人をするサブストーリーも面白かった。鮮やかな算盤勘定で主と相談役をやり込める所はさすが市兵衛さん。2023/02/26
はにこ
30
前回の話で斬った男の子供達を引き取る市兵衛。仕事先の旗本で算盤仕事だと思って行くが、首を突っ込みすぎて馘wwこの話、宙ぶらりんな気がするんだけどまた出てくるのかな。多見蔵一味の捕獲に奔走する文六親分。ヒヤヒヤしたけど無事解決。市兵衛、ちょっと寂しそうね。。2021/04/22
み
28
前作の結末編って感じでした。家族ごっこは終わってしまい、広めのお部屋にボッチになっちゃった(>_<)読み始めは、ソロバンの市兵衛さんだぁ~♪と喜んだものの、おバカな殿さまでしたね。2018/06/13