内容説明
その顔を見た者はいない―。一家皆殺しの残忍な押込みを働く『鬼夜叉』一味の犯行を阻止した風烈廻り与力青柳剣一郎。だが、恨みを抱いた一味が放った凄腕の刺客から不意の襲撃を受ける!剣一郎のおかげで難を逃れた木綿問屋『戸倉屋』も、悪所通いにより勘当された長男浪太郎に言葉巧みに近付く輩が…。『鬼夜叉』と剣一郎の、父と子の、因縁が絡む戦いの行方は!?
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
99
風烈廻り与力・青柳剣一郎「夜叉の涙」40巻。や~良かったですね、高四郎さんが亡くなる場面は涙を誘いますが、文七さんが後継し、文七の後釜に猫の太助が良い繋ぎが出来、残忍な押し込み強盗も勘当されて押込み仲間になりかけた波太郎も改心し、火盗改めをも丸く収め無事事件を解決さすが青痣剣一郎さんスッキリしました。2018/03/19
ベルるるる
24
とうとう優しい義弟の高四郎が死んでしまった。その悲しみが全編を覆っている。そのためか、捕物の部分は、最後あっけなくバタバタと解決してしまった気がする。 内与力と火付盗賊方にイライラしたけど、その為に剣一郎の真摯な姿が際立つのも事実。2018/02/03
真理そら
8
蚤取り太助の有能さに驚く。この巻は剣一郎とその身内(ついでに読者も)が悲しみに包まれているが、事件の方は明るい結末になった。このバランスの良さはさすがです。次に登場するときは文七は名前が変わっているのだろうか、うーん。2017/12/14
goodchoice
5
人情家である剣一郎らしい義弟への愛情は、読む者の胸を打つ。太助もだんだんと役立つようになり、今後が楽しみだ。2018/02/04
Western
4
義弟の死によって文七が現場から離れそうに・・・後継者は太助?事件は僻んだ長男浪太郎を中心に回っていくが、最後は一転大改心。ちょっととって付けの感じもしないではないが、剣一郎の事件に対する心根がわざとらしいぐらい。火付け盗賊改めに手柄を譲っても庶民を守りたいとは・・・出来すぎの心。 おふさと浪太郎が夫婦?あまりに出来すぎたハッピーエンドは少々わざとらしい。 過ぎたるは及ばざるがごとし2022/05/17