内容説明
火事を起こし、その隙に皆殺しの押し込みを働く盗賊千羽一家が江戸に入った。その報を受け、新庄藩火消通称“ぼろ鳶”組頭・松永源吾は火付けを止めるべく奔走する。だが藩主の親戚・戸沢正親が現れ、火消の削減を宣言。一方現場では九頭の龍を躰に刻み、町火消最強と恐れられる「に組」頭“九紋龍”が乱入、大混乱に陥っていた。絶対的な危機に、ぼろ鳶組の命運は!?啓文堂書店時代小説文庫大賞第1位シリーズ続刊。
著者等紹介
今村翔吾[イマムラショウゴ]
1984年京都府生まれ。ダンスインストラクター、作曲家を経て、現在は守山市で埋蔵文化財調査員。「蹴れ、彦五郎」で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、「狐の城」で九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。「羽州ぼろ鳶組」シリーズ第一作『火喰鳥』でデビュー、啓文堂書店時代小説文庫大賞第一位を獲得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
483
シリーズ第3弾!今回は、急展開ではないけれど、動きがありましたね。それにしても、出てくる漢達が格好いいです。火消しの漢達はもちろん、御連枝・戸沢正親も熱く格好いい!に組の九紋龍・辰一もとんでもない漢!この熱さは見習いたいですね。物語はというと、終盤の戸沢正親と源吾のやりとりがすごく良くて、お互いに認め合った時、そこには熱い友情と絆ができたようで、ただただ感動!そして、源吾と深雪の夫婦のやりとりは、自分も見習わなければと思いました。それにしても千羽一家の動きがすごく気になりますね。続きが待ち遠しいです。2018/05/30
海猫
453
羽州ぼろ鳶組第3弾にして、早くも絶妙の安定感。火消の話を毎度趣向を変えて、興味を持たせてくる。レギュラーメンバーはまんべんなく見せ場があり、新キャラの造形にも感心。クライマックスの盛り上げが見事で、綺麗な結末を迎える。かなりの好シリーズ。2018/05/22
三代目 びあだいまおう
429
九紋龍といえば水滸伝の好漢史進、北方水滸伝で史進に強い憧れと崇敬を持つ私は、期待を込めて猛暑8月最後に本書を選んだ!九紋龍と称される最強の火消辰一、強く成長した襤褸鳶の面々さえまるで太刀打ちできない!一家惨殺の押し込み強盗が暗躍し、手掛かりさえ掴めぬ中、辰一は異常な行動を続ける。意図は?結末は?手が止まらない‼️作者はまさに鉱脈を掴んだのだろう!江戸の火消し❗溢れだし更に湧き上がる程ヒーローとエピソードを無限に創り出せるもの!本巻では待望の深雪の活躍も!垂涎ものの珠玉のシリーズ。大事に読んでいこう‼️🙇2019/08/31
W-G
394
『夜咫烏』で匂わされていた最強の火消、辰一が登場。暴れまわる様は完全に漫画の世界。辰一絡みの騒動と同時並行で、もう一人の新キャラである戸沢正親が、違う側面からぼろ鳶組を苦しめるが、こちらは割と最初から良い人オーラが出ており、まったく憎めない。千羽一家との対決は尻切れとんぼのまま終わるも、この先で必ず描かれるだろうと確信出来るので問題なし。ここら辺りが絡んでくると、新之助の独壇場。便利な設定のキャラクターだ。そして最終章、深雪がおいしいところを持っていき、とてもさっぱりとした後味で読み終えることが出来た。2022/05/31
tetsubun1000mg
349
日曜日から1巻目を読み始めて、昨夜3巻目「九紋龍」を読了。 3巻目でネタが尽きるか、同じ路線でくるかとの心配もあったが、ファンの期待を裏切らない規格外の面白さ! 冒頭の押し込み強盗のシーンは不穏な立ち上がりだが、九紋龍の登場からは大きく物語が動き出す。 終盤の九紋龍の火事場での命を懸けた救出シーンは映画を見ているような大迫力。 江戸の火消したちが一心不乱に火に対決する様子は胸を打つ。 最後の新庄藩の特産品商談会は、深雪さんの大活躍と正親の助太刀で気持ちよく締めてくれる。 現代的なアレンジが持ち味のようだ。2020/03/19