内容説明
「八咫烏」の異名を取り、江戸一番の火消加賀鳶を率いる大音勘九郎を非道な罠が襲う。身内を攫い、出動を妨害、被害の拡大を狙う何者かに標的にされたのだ。家族を諦めようとする勘九郎に対し、「火喰鳥」松永源吾率いる羽州「ぼろ鳶」組は、大音一家を救い、卑劣な敵を止めるため、果敢に出張るが…。業火を前に命を張った男たちの団結。手に汗握る傑作時代小説。
著者等紹介
今村翔吾[イマムラショウゴ]
1984年京都府生まれ。ダンスインストラクター、作曲家を経て、現在は守山市で埋蔵文化財調査員。2016年、「蹴れ、彦五郎」で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、「狐の城」で九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。『火喰鳥』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
517
シリーズ第2弾!前作同様、火消しのシステムをうまく物語に散りばめられてます(わからなくなればググるw)。熱い漢達のドラマは、読み手も熱くさせるようで、あっという間に読み終わります。今回はライバルとは何か、友とは何かというのを、ぼろ鳶組、加賀鳶、万組を通して、学んだ気がします。 プラス源吾と美雪から夫婦とは何かも学んだ気がします(^^;)田沼の上司ぶり、信之助の成長ぶりもいいですね。個人的には北方謙三さんの『水滸伝』と同じぐらいの熱さを感じてる作品です。火事は怖い!みなさん、火の用心はしっかりしましょう。2018/02/05
海猫
510
前巻が面白かったが、この続編もそれ以上に読み応えありの一冊。シリーズとしてのキャラクターの立て方、成長の描写、見せ場の作りよう、さらに次巻への引きがあるなど小憎らしいほど上手い。とても新人の二作目とは思えない。前半は敵側の卑劣なやり口で思うよう動けない火消たちと同様、鬱憤がたまる。それだけにド派手でエモーショナルなクライマックスには大いに溜飲が下がった。スピーディーな展開も現代的で小気味良い。作品自体がフレッシュで弾んでますな。早く既巻を読み、最新刊に追いつき、リアルタイムにシリーズと付き合いたい。2018/02/19
三代目 びあだいまおう
475
最高!面白い!感動!痛快!熱い!興奮!あぁ、これらの言葉の千倍万倍に値する語彙が欲しいのに私にはない(悔)『火喰鳥』ぼろ鳶組の第2弾!ごめん、解説初めの数行借ります。「読み終わってからもしばらく興奮が収まらない。魅力的な謎で引っ張られ、手に汗握る展開に翻弄され、時折差し込まれるユーモアに笑い、クライマックスで泣かされ、エピローグでこの上なく癒された」まさにその通り!最高に熱い漢達が更に進化増殖!第1弾を越えた、早くもシリーズ最高傑作か⁉️そして深雪に惚れた!男が漢達に惚れ、女にも惚れる超贅沢な1冊‼️🙇2019/05/31
W-G
441
シリーズ二作目は、主要キャラの持ち味が、一気に薄れる場合も多い。しかし、この作品に限っては、前作からでの輝きが減じている者が一人もおらず、コンパクトな中で、しっかり各自の見せ場が配置されている。粗方出揃ったと思っていたメンバーにも、更に新加入がある。これに関しても、ミスリードを誘うように、それっぽい人物が複数いて、読者の興味を引っ張る工夫がされている。話の流れの中で、さりげなく、今後の作品の重要人物が仄めかされているのも心憎い。シリーズ一気読みしてしまいそう。そして、だんだん新之助が好きになってきた。2022/05/25
tetsubun1000mg
379
「火喰鳥」から続けて「夜哭烏」を読了。 一巻目に比べるとゆっくりスタートするが、章が重なる中盤からは焦点が合ってきて物語がくっきりと浮かんでくる。 謎解きの面白さも加わって、登場人物が増えてくるごとにスケールが大きくなってくる。 終盤からの大火のシーンからはすごいスピードで場面が展開していく。 最後の船乗りとのやり取りと火消しのシーンは大画面の映画を見ているような迫力。 昨年「てらこや青義堂」「童の神」など4冊を読んでいたのでストーリー、文章ともに上手いのは分かっていたが、これで2作目とは恐れ入りました。2020/03/17