内容説明
近隣住民から信頼厚い第七明和銀行高田通り支店の庶務行員・多加賀主水のもとには、相談事が絶えない。商店街のシャッター街化問題、保育園の騒音問題、祭事の協賛金問題…。一方、世間では矢部内閣による「ヤベノミクス」が推し進められる中、国債の危機を訴える一派が何事かを企んでいた。第七明和銀行も吉川新頭取の息子が誘拐されるに及び、国家の危機に巻き込まれる!
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。97年の第一勧銀総会屋事件では混乱収拾に尽力した。2002年『非情銀行』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★グラスハート★
50
2.0 前作は1話完結でしたが、今作は連作短編小説でした。 何作も続編出ているようですが、私はイマイチ好きになれないかな。とりあえず、お稲荷様で解決します。2021/10/19
紫陽花
36
アメリカでは政策金利がどんどん上がってきています。日本の超金融緩和政策もいつ見直されるかと論議され始めました。多加賀主水シリーズのこの作品、今回はアベノミクスやマイナス金利政策を扱っています。話がこれまでのように一支店だけでなく、国レベルのグローバルなものになっていました。本の内容は主水が悪い奴を叩きのめすという気楽に読めるのものなので、国債の売却など経済的な話が分かりやすく頭に入ってきました。2022/11/23
達ちゃん
34
シリーズ2作目も気軽にサラッと読めて面白かったです。悪との闘いはまだまだ続きそうですね。2019/09/25
Yunemo
33
「許さない」から「悪を断つ」ですか。この荒唐無稽さで読み進め。でも冷静に今の経済情勢を考えれば、国債の危機という相当に深い部分をデフォルメしています。大人の漫画的要素にグイグイと。また組織の中で苦しむ支店長、その部下の行員たちの様子、この部分はまさにその通りなんでしょう。そうは言っても大銀行組織の中で、要職にある人達、あった人達、そもそもがこんな杜撰なことする?元副支店長が正体不明の人物であったり。中に出てくる、掃除と経済的成功には何らかの因果関係があるのでは、これって名言‼自室掃除後の爽快感に似てます。2017/08/06
まみ〜
16
シリーズ第2作?日本国債を日銀が引き受ける現状を憂える、元財務官僚、現財務官僚、そして銀行幹部が、世界的に有名なファンド経営者から「革命」を起こそうと誘われ…?時を同じくして起こった、頭取の息子の誘拐? 地上げ屋に狙われた魚屋、主水がかつて仕えていた地元の名士、そして銀行の融資引き上げによって自殺した中堅企業の経営者…?今作も、主水が困った人に救いの手を差し伸べる✊️ うん、今作も面白かった?そして今作は「国債」という非常に繊細な問題提起もあり、いろいろなことを考えさせられました?2018/06/26