出版社内容情報
辻堂 魁[ツジドウカイ]
内容説明
神田堀八丁堤で菱垣廻船問屋の番頭が殺された。臨時で定町廻り方となった北町奉行所平同心の日暮龍平は、早速、探索を引き継ぐが難航する。同じ頃、倅の俊太郎を地廻りから救ってくれたお篠に出会う。お篠の夫は彼女を描いた錦絵が評判の絵師だった。ところが、番頭の遺品にその錦絵が見つかるや、お篠の過去に捜索の手が―秘した哀しみが涙を誘う万感の時代小説。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務を経て執筆業に入る。16年には、『風の市兵衛』シリーズで第五回歴史時代作家クラブ・シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベルるるる
22
龍平の息子、俊太郎を助けてくれたお篠。お篠には過去がある。その怖ろしい過去が追いかけきてお篠の大切な夫である涌井意春は殺される。可哀そうだったな・・・2019/03/08
蕭白
9
切ないお話でした。エンディングの父子の2人旅の描写が良かったです。2021/04/24
ニッキー
5
悲しいけれど、少しだけハッピーエンドだった。 龍平も一人前の定廻り同心になって来た。清濁合わせ飲むやり方が分かって来たか。 真面目な龍平は、どうなって行くか、萬とはまた違ったヒーロー同心が楽しみになって来た。2021/03/19
豆狸
3
ところどころ飛ばし読みしてしまったが、話はつながる。龍平さんはあれだけ活躍しているのになぜ平同心のままなのか解せぬ。なれど、平同心=雑用係という位置づけもお話としては面白いかも。俊太郎君がかわいい。2017/12/11
kazukitti
2
割とフツーの辻堂作品の王道って感じ。過去を隠した女の一時の幸福を奪う、過去から来たクソヤロウ共。女に協力する主人公と、捨てた過去を使って、奪われた今のため復讐者と化す女。安定の読み味。個人的にはこのシリーズに限らず、割と辻堂さんのは家族との繋がりがクローズアップされることはあって、その中でも父と子ってのが割とメインになってるんだけど、最初の方でちょっとあったワイフとの絡みみたいのももう少し見たかったかなw2020/08/03