出版社内容情報
立川 談四楼[タテカワダンシロウ]
内容説明
「売れるためには、落語以外の何かでマスコミに斬り込むンだ!」人気落語家の師匠の教えに従い“飛び道具”としてボクシングを始めた橘家小龍。過酷なトレーニングも何のその、次第にジムの面々や橘家一門も巻き込んで、本気でボクシングに打ち込んでゆく。目指すはチャンピオン!だが、その前に不敗のバンタム級王者が立ちふさがる!爽快にして痛快、青春小説の傑作。
著者等紹介
立川談四楼[タテカワダンシロウ]
1951年、群馬県生まれ。70年に立川談志に入門。83年、立川流落語会第一期真打となり、同年「屈折十三年」で文壇デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roko
30
師匠の「落語以外の特技を身につけろ、落語以外で売れる方法を考えろ」という言葉に触発されて、小龍はボクシングジムへ通うようになります。そこでトレーニングをし、プロテストに合格。龍太楼師匠にリングネームを付けてくださいとお願いして、頂いた名前が「ファイティング寿限無」でした。落語とボクシングの狭間で心が揺れる小龍ですけど、その一途さはとても心地よいのです。この本を読んだ後、「楽しかったなぁ~」って気分が溢れてきました。そうだよね、やりたかったらやっちゃうしかないんだよね!2022/11/16
タルシル📖ヨムノスキー
25
人気落語家である師匠の「売れるためには落語以外の何かで有名になれ!」という言葉に一念発起しボクシングを始めた橘家小龍の成長物語。まず自分の中で〝ファイティング寿限無〟というタイトルのインパクトがすごかった。そういえば今は亡き手塚治虫氏が「一つのことを極めるのも大切だが、できれば二足の草鞋を履け」みたいなことを言っていたのを思い出した。何かあった時の保険みたいなものといえばそんな気もするが、実際にはなかなか難しい。ボクシングのことはよくわからないけど、試合の場面では頭の中にロッキーのテーマがずっと鳴ってた。2021/01/25
hnzwd
16
若手落語家が売れるために、落語以外の何かを、、と考えてたどり着いたのはボクシング。江戸っ子の師匠と跳ねっ返りの主人公という落語をテーマにした小説では割りとテンプレな感じもしますが、まあ、面白いからテンプレになるわけで。題材としたボクシングシーンも迫力あるし、楽しく読めました。2023/04/04
kakoboo
16
20年以上前に出された作品でありながらもこうやって今でも愛されているというのは素晴らしいですね。トントン拍子感が強いものの、あくまで主人公の成長に軸を置いているのであればいいのかなかと。どちらかというと読み物として入り込ませるものがありました。興味深いのが大半がボクシングのことということ。でもそれはそれで重要だけど、それ以上に重要なメッセージに溢れているのがよかったです。一気読み間違いなしの作品をありがとうございました。 増山実さんの甘夏と〜と併せて読むと尚良し 一万円選書2020/07/25
naotan
16
1万円選書から。師匠の夢が何ともリアルで、対戦シーンよりどきどきした。2020/06/08