内容説明
東京・赤羽の巨大団地葵ヶ丘に住む北原美紗子の娘・奈月が失踪した。赤羽中央署生活安全課の疋田務は部下の小宮真子らとともに懸命な捜査を続けるが、一向に消息は掴めなかった。奈月はいったいどこへ。やがて誘拐犯を名乗る人物から身代金要求の電話がかかったとき、事件は予想もしない方向に暴走を始めた―正統派、かつ、斬新。心を鷲掴みにする新警察小説、誕生!
著者等紹介
安東能明[アンドウヨシアキ]
1956年、静岡県生まれ。明治大学卒。94年『死が舞い降りた』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞しデビュー。2000年『鬼子母神』でホラーサスペンス大賞特別賞、10年「随監」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のり
73
性癖はそれぞれだが、幼い子を対象にするのは内に秘めるのは仕方ないとしても、一線を越えるのは絶対に許されない。しかも我が子を売るような母親は断じて許せない。それは大事件に発展しても当然といえる。立場がある者が行動に移すと手に負えない。複雑に絡みあう事情。捜査に携わるBBコンビの執念。しかし副署長だけはどうしようもなく嫌いだ。2020/05/01
茉莉花
21
東京・赤羽の巨大団地葵ケ丘に住む北原美紗子の娘・奈月が失踪した。やがて誘拐犯を名乗る人物から身代金要求の電話がかかったとき、事件は予想だにしない方向に暴走を始め…。2021/03/15
ヨーコ・オクダ
17
裏表紙の「心を鷲掴みにする新警察小説」という文句に騙されたw赤羽の団地内で起きた女児の失踪事件→遺体発見。こちらは主に警察側目線でストーリーが進む。一方で、同じ団地に母親とその彼氏・山崎と一緒に住む女子高生・早希。 山崎の携帯電話がきっかけとなり、幼い頃に母親と離婚した実父、そして誘拐された女児の母親とも彼には接点があることが分かり、いろいろ探っているうちに一連の事件の危ない部分に足を突っ込むことに…。じわじわと真実が明らかになっていく感じはエエんやけど、何か捜査してる側に魅力を感じひんのよね(苦笑)2017/04/02
たーさん
15
赤羽の公営団地で小学一年生の女の子の行方不明事件が発生。初動捜査に当たった疋田務警部補率いる少年係の面々。少女を誘拐したと母親に連絡が入る。連続誘拐殺人犯を逮捕し特進で警部補になった疋田係長。しかし逮捕した犯人が無罪判決が下されマスコミの攻撃に晒され家庭は崩壊、たらい回しにされ少年係に行き着いた刑事。事件はなんとも腹が立つ話。子を持つ親としてはフィクションと言えども怒りが沸いてきます。事件は救いはないけど疋田係長が別れた息子と再会できたのが救いかな? 2023/02/10
シアン
12
疋田務シリーズ第1弾。幼児が犯罪に巻き込まれるのは、読んでいて気が重い。しかしながら、巧妙に隠された犯罪を暴いていく展開は、お見事。重厚で、読み応えがある。細かい部分では気になるところはあるものの、刑事魂を感じる作品。2016/07/06