内容説明
「夫は自ら死んだのではない」自殺とされた札差の妻おとよは確信していたが、証拠がない。話を聞いた青柳剣一郎は調べを進め、死の直前に御家人と不審な大金の取引があったことを掴む。すると、探索を阻むよう、次々と刺客が姿を現した。この執拗さは一体…戸惑いながらも、真実に迫る剣一郎。だが、敵は予想外の奇策に打って出る。シリーズ第二十六作、衝撃の結末。書下ろし長編時代小説。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。『絆』で日本推理作家協会賞を、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する。以降、社会派推理、時代小説などを執筆し、幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
44
風烈廻り与力・青柳剣一郎「青不動 」26巻。このシリーズもう26冊目ビツクリ。今回は札差の妻おとよが夫の死に疑問を抱き、剣一郎の妻多恵に相談するところから始まるが、結末はめぐりめぐって剣一郎の次期年番与力の座をめぐる、嫉みによる身内からの陰謀。なかなか読み応えのある筋書きだった。それにしても、剣一郎さん娘のるいさんの事になるとメロメロやはり普通の父親だね。そろそろ文七の素性をはっきりさせてほしいと思う。次巻も期待。2014/01/22
ベルるるる
24
自殺とされた札差の夫は本当は殺されたと信じている妻は多恵に相談。相談を親身になって受ける多恵。それを聞き、札差の夫の足取りを追い始める剣一郎。このシリーズのこういうところが凄く好き。町人の相談をきちんと受け止める二人がいいんだよね~!シリーズの最初のころのような雰囲気で今作は本当に面白かった。2017/01/07
夢子
18
今回は同じ与力が侵した罪により剣一郎が命を狙われる。昔も今もお役所に勤めていながら悪いことをする人はいるんですねー兵庫県の知事さんと同じ悪人でした。青柳剣一郎は正に清廉潔白なお人という事ですかね。2024/09/24
あかんべ
6
犯人はやっぱりこいつか!という感じだが、細かく行き届いた描写でぐいぐい最後まで楽しめた。今後花絵や出てこなかったが藤川の妻のことが気になった。多恵がどうフォローするか?女流作家だったら書くだろうなあ〜2014/02/24
めにい
5
青不動というタイトルの割にその人は目立たないし、地味だった。男社会でも嫉妬は深く潜行して激しいものになってしまうんだなあと。2014/06/25