内容説明
十五年前に失踪した両親を捜すため、持ち込まれた食材で料理を作る「移動調理屋」を始めた佳代。キッチンワゴンで両親ゆかりの地を巡るうち、一風変わった注文やちょっとした事件も舞い込むように。「ふわたま」「鮨天」「魚介めし」―もつれた謎と、人々の心を解くヒントは料理の中に?そして、徐々に明らかになる両親の秘密を追い、佳代が辿り着いた場所とは?
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て『かつどん協議会』で作家デビュー。『床下仙人』(祥伝社文庫)は2007年啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれ、ベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
kknnの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
151
主人公佳代の職業は「調理屋」。改造した厨房車で全国を回りつつ、その土地の湧水を使い、材料持ち込みさえすれば、一品500円でどんな調理でもOKというもの。旅の目的は、15年前に佳代と弟の一馬を残して突如失踪した両親を探すこと・・。行く先々での人とのふれあいや感動、土地の材料を生かしたおいしそうな料理の数々、そこに佳代の愛すべきキャラクターが融合して、ほっこりと幸せな気分になれるお話です。ただ、採算度外視で大丈夫?身勝手な両親をそこまでしてなぜ探す?疑問はきっと続編でスッキリ腑に落ちる・・のか?2018/09/21
takaC
144
書かれた時点より未来人の自分はシリーズが2冊目、3冊目と続いていることを知っているから今は落ち着いて消化できる。2017/07/28
machi☺︎︎゛
129
中3で親が出て行ってから弟と2人で力を合わせて生きてきた佳代。大人になって、持ち込まれた食材で料理を作る移動調理屋をやりながら調理もできるバンで移動しながら両親を探すようになる。両親が出て行った理由は分かったような分からないような話だったけど、私には子どもを置いて出て行く理由にはならない気がした。でも佳代の性格のおかげか佳代の周りにはいい人ばかりが集まってきて色々と助けてもらえてよかった。2019/11/08
モルク
104
15年前に突然失踪した両親を捜すため主人公佳代はワゴン車で「移動調理」を始め、両親の軌跡を追う。小学生と中学生の子供を残して失踪するだけの理由があるのかも不明だし、行くところ行くところ若い頃の両親の写真をみて彼らを知っている人に出会うこと、各地で出会う人がそれぞれの善良でうまく行き過ぎることなど、もやもやも多いが、シリーズものなので今後理解できるようになるのかな。でも、美味しそうな料理の数々には興味津々!2020/09/22
のんちゃん
94
持ち込み材料を調理する商売「移動調理屋」を営む佳代は中学生の頃まだ幼い弟と二人、両親に置き去りにされた過去を持つ。その両親を捜す為、今は新聞記者となった弟から情報を得ながら、厨房車で全国を回っている。両親はどうやら、理想郷建設の為に旅にでたらしいが、というお話。佳代が両親の足跡を辿る先で厄介事に遭遇し、その土地の人々の優しさに触れつつ解決して行く様が心地よい。続編もあり、佳代の商売と両親の捜索がどうなって行くのかも楽しみ。もちろんタイトル通り、美味しいものの描写も満載だ。2017/07/14