内容説明
町人ながら剣客となった秋月栄三郎は侍の世界に失望、人生に迷っていた。そこへ大坂に暮らす父・正兵衛が現れ、知己の老親分・洞穴の源蔵の世話を命じる。昔、火付盗賊改方の手先だった源蔵も、今や“法螺吹きの”と揶揄される隠居暮らし。その大法螺に苛立つも、父の語る人生の極意を信じ、世話を焼き始めるが…。じんと来て、泣ける!感動の“取次屋”誕生秘話。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九〇周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。以後、演劇制作と並行して舞台作品の脚本を執筆、『水戸黄門』などのテレビの人気シリーズも数多く手掛けた。2010年、『取次屋栄三』(祥伝社文庫)でデビュー以来、独特の心地よい物語で時代小説界に新風を吹き込み続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
94
栄三郎がなぜ取次屋を生業としたかを物語る「取次屋」誕生秘話! 取次屋栄三シリーズの10作目 2013.05発行。字の大きさは…小。栄三郎は、15才の時に大阪で岸裏伝兵衛に見いだされて、剣の弟子として江戸へ連れて来られる。それから15年、気楽流剣術に打ち込み師匠も認める腕となったが、師の岸裏伝兵衛が武者修行に出てから、侍の世界に失望し人生に迷っていた。そこに、大阪から栄三郎の父・正兵衛が出て来て、火盗改め方の手先・洞穴の源蔵を手伝うように言う。栄三郎は、あんな法螺吹きの面倒をみれないと正兵衛に言えば。→2020/05/14
雅
56
取次屋の誕生秘話。親子の絆や友情の大切さを感じた。人との繋がりって大事だな。ほっこりして一気に読了2020/10/14
み
27
エピソードゼロ風なお話し。今まで短編集でしたが長編も良かったです♪2016/02/25
ベルるるる
24
「取次屋栄三」の原点。2018/11/16
run
23
人との縁って大事だなー、とニコニコ読める話。このシリーズ、いつも読むとほっこりするから好き。今回少し若い栄三も、やっぱり可愛げがあって魅力的だった。2016/08/22