内容説明
養女にしたお美濃の二十歳の祝いに振袖を、と考えた岡っ引きの友七親分と古手屋を営む女房・お文。だが、お美濃はそれを断ったという。一方、芸者時代に世話になった置屋の女将・お楽が体調を崩していると知ったお葉。お美濃とお楽が心に抱えた深い傷に気づいたお葉は一肌脱ぐことを決意するが…。情にもろくて鉄火肌、お葉の啖呵が心地よい人情時代小説。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学卒業。テレビプロデューサーなどを経て、執筆活動に入る。98年、「もぐら」で第一六回大阪女性文学賞佳作。2000年、「母の背中」で北日本文学賞選奨。03年、「小日向源伍の終わらない夏」で、第一〇回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
130
便り屋お葉日月抄「雪の声」4巻。久しぶりの今井作品、立場茶屋おりきシリーズ同様に言葉使いが、瓜割四朗(うりわりしろう)=そつくり、やりくじるー失敗する、方図がない(ほうずがない)=際限がない、などなど優しく気持ち良く感じる言葉ので、それにお葉さん時々見せる啖呵が良いな~ほろりとする場面もありで。2015/02/21
min2
12
シリーズ4作め。相変わらずお葉さんの江戸っこ振りが小気味良いです。どんなことにも前を向いて胸を張って生きている姿に私も姿勢を正したくなります。さて、龍之介は自分の想いに気付いたのかな~?次作あたりそろそろ…?2016/02/25
TOMIKA306
11
今回のテーマは、里子·養子·跡目継承ってところかな。 義理人情の世界。安心して読める時代劇。2025/02/14
たーくん
7
身を寄せ合う温かさ 人情時代小説の醍醐味! 情にもろくて鉄火肌、お葉の啖呵が心地よい! 養女にしたお美濃の二十歳の祝いに振袖を、と考えた岡っ引きの友七親分と古手屋を営む女房・お文。だが、お美濃はそれを断ったという。一方、芸者時代に世話になった置屋の女将・お楽が体調を崩していると知ったお葉。お美濃とお楽が心に抱えた深い傷に気づいた お葉は一肌脱ぐことを決意するが……。情にもろくて鉄火肌、お葉の啖呵が心地よい人情時代小説! 2019/01/22
mikipon
3
身近に起こる色んな困りごとを、気風よく、気前よくドンドン解決していくお葉さん。読んでいて小気味よいけど、あっちもこっちも養女でちょっと混乱してきた。それにしても龍之介を作者はどうしたいのか。人が良いといっても、ほどがある。何かが起こるのを待っている風だけど、起こってもそれを受け止めずに流してしまって、この人は一体何を待っているんでしょうね。あっと驚く、大団円かな?相変わらず、色々な食べ物は美味しそう。何不自由なく食べられるって良いですね。2013/07/22