内容説明
居酒屋“そめじ”で秋月栄三郎の前に座るのは、腕っ節と凶暴さで恐れられる取立て屋の若い衆・捨吉。彼には親に捨てられた哀しい過去があった。“そめじ”の女将・お染は、十年前、孤児となった捨吉を真っ当な道に導けなかった後悔を語る。それを聞いた栄三郎は、捨吉の瞳に無垢な光があるのを見て取り、なぜか貧しい人々を救う医師・弘庵の許に連れて行く…。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九〇周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。以後、演劇制作と並行して舞台作品の脚本を執筆、『水戸黄門』などのテレビの人気シリーズの脚本も数多く手掛けた。2010年、『取次屋栄三』(祥伝社文庫)でデビューするや、独特の心地よい物語で、時代小説界に新風を吹き込み続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
104
取次屋栄三シリーズの7作目。2012.09発行。字の大きさは…小。鬼瓦、女難剣難、おっ母さん、浮かぶ瀬の4話。手習いの師匠と剣術道場の師範を兼ねる、秋月栄三郎の笑顔に接すると…。人と人を繋ぐ取次の依頼を人情味たっぷりに…。裏飛脚の儀兵衛というのは、その名の通り闇の運び屋の頭である。抜け荷の品、盗み出された古美術などを売り捌く香具師の一団に、盗賊や密貿易商から受け取った品を届けるのがその仕事である。売り手と買い手は縁を深めたくない。深めてくだらぬ情が絡むとろくなことがないからだ。そこで裏飛脚屋が暗躍する。→2020/04/20
雅
39
道を踏み外したり傷付いたりしても、人の優しさに触れる事で幸せになれる。イイ作品です2019/08/09
ベルるるる
29
タイトル作の「浮かぶ瀬」が好き。捨吉のこれからが、いつか読めるといいな。「山川の瀬々に流れる栃殻も実を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」さすが栄三は手習いの先生だね。 2018/11/06
み
29
今作もイイです♪んでも、捨吉って名前は…、作家さん酷くない?名は態を表すとは言うものの。2016/02/05
深青
20
シリーズ7巻目。私も栄三さんが持っているような打出の小槌が欲しいと思ってしまいました。気持ちのいい人間になるには…まだまだ経験が足りないかなぁ。人情味もあって、見ごたえのある殺陣のシーンもあって、ちょっとした恋話もあって、毎回とても楽しいです。2016/10/19
-
- 和書
- 現代経済学要説
-
- 和書
- 三島文学散歩 〈続〉