内容説明
秋月栄三郎の“手習い道場”の弟子・安五郎は、破落戸から足を洗った若者・安吉と会うことが楽しみだった。名乗りはしていないが安吉は、かつて無頼のせいで夫婦別れしたおちかとの間に生した息子だったのだ。だが、女手一つで安吉を育て上げたおちかは安五郎を絶対に許さない。そんな二人の仲を取り持つ栄三郎の奇策とは?絆を結ぶ“取次屋”の活躍を描く心温まる人情物語。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九〇周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』で入選。以後、演劇制作と並行して舞台作品の脚本を執筆、『水戸黄門』などのテレビの人気シリーズの脚本も数多く手掛けた。2010年、『取次屋栄三』で作家デビュー。以後、時代小説界に新風を吹き込み続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
103
取次屋栄三シリーズの5作目。2011.12発行。字の大きさは…小。茶漬け一膳、敵役、面影の路、帰って来た男の4話。 手習いの師匠と剣術道場の師範を兼ねる、気楽流の印可を受けた剣客・秋月栄三郎は、内弟子・雨森又平、剣友・松田新兵衛、田辺屋宗右衛門、お咲とで取次の依頼を人情味たっぷりに…。 「面影の路」を読んで、ある人の顔がハッキリ思い出される。物語は、初恋は、いつになっても胸の奥に残るものだ。その初恋の想いを辿って行くと、そこにはあの時なぜ会えなかったか…、そして初恋の人の人生が分かって行くと…喜びが…。→2020/04/18
み
33
いいです(^o^)このシリーズ中だるみしません。今作も温かいです。最後のトコがどうなるのか、栄三さんがツライ目に合う?読み進めま〜す♪2016/01/27
ベルるるる
29
まるでおとぎ話のように次々とハッピーエンドになっていく。ちょっとばかりご都合主義ではあるけど、読書に癒しを求めている私は満足。気持ちよく読了。2018/11/03
ドナルド@灯れ松明の火
18
5冊目。シリーズがどんどん進むにつれ、栄三郎を中心に人の輪が広がり続ける。プロットを増やす意味でも登場人物の増加は必要なのかな。「面影の路」は泣かせる話だった。うまいなぁ。 お薦め2020/03/18
とく たま
16
お互いの頑固が原因で別れた夫婦や、捨て子の軽業師など、前に出された刊で登場した人物を再登場させる。読者の心に残る人たちのその後の行き方を取り次いでゆく。かつての人物をほっておかない気の利きようは歓迎!2016/12/22