内容説明
恵沢大理学部教授の嘉島が殺された。元不倫相手の助教授・川名千早に嫌疑が及び、幼馴染みの作間英俊は衝撃を受ける。過去にも千早の交際相手が二人、不審死していたからだ。さらに千早は、息子・努の出生にも重大な秘密を抱えていた…。やがて鍵となる『クローン人間が生まれた日』という一冊の小説と、絡み合う親子の愛憎。そして、哀しくも驚くべき事件の結末とは。
著者等紹介
北川歩実[キタガワアユミ]
1995年、『僕を殺した女』でデビュー。最先端科学を採り入れた新感覚ミステリーの旗手として注目を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨーコ・オクダ
20
巻頭にある登場人物一覧を見ただけでも「川名千早」がややこしいネタ元であることが分かる。彼女に想いを寄せる幼馴染み・作間英俊が探偵役となり、読者を導いてくれるんやけど、千早の奔放っぷりが幹となって、骨髄移植、親の愛、クローン技術、倫理等の枝が絡み合い、関係者たちの人生に影を落としていく感じ。後半には怒涛のどんでん返し攻撃アリ。その都度驚かされるものの、うち的にはちょっと手前の路線をホンマもんのストーリーとして終わってくれても良かったんちゃうかなー、と。それにしても、子を思う親のパワーってスゴい!2018/09/10
terukravitz
4
★☆☆☆☆2013/09/08
つる
3
女にだらしない兄弟だった。2012/12/16
ホレイシア
3
北川作品にしては珍しくすっきりまとまった長編。最後は袴田が書いた手紙のとおりだったほうがよかった気がする。今現在、病気の子どもを救うためだけに兄弟をつくる。それ自体許されない行為だと思うが、それを上回った解決法を提示するなら、そこで終わってほしかったかな。でも、楽しめたので満足。2012/12/13
RIN
3
『わたしの中のあなた』という映画と似たような設定。骨髄移植のために新たな生命を生み出そうとする家族、さて、その方法とは?という物語。10年以上前に流行したサイエンスサスペンスだが、最近はほとんど新作を見かけないような。結構好きだったんだけどな。さて、本作。探偵役の主人公が「気づくの遅すぎ!」な間抜けなところがこの小説の不快感を和らげてる感じ。どんでん返しに次ぐどんでん返しという解説には??かな。みなさんがコメントしているように、母視線に固定するか、ミステリに純化するか、もう少しどうにかなったのでは?2011/09/17