内容説明
いぼ俣軍兵衛と名乗る、疫病神のような男。風貌、性格ともに憎めない男だが、彼に金を貸した後家貸しの奈津が斬殺され、奈津の亡夫の秘密を握る男も川に浮いた。さらに北町奉行所与力の葛篭桃之進にも、鎌槍を持つ凄腕の刺客が迫る。やがて、いぼ俣も殺されるに至り、幕府の御用金をめぐる壮大な陰謀が判明。役立たずの“のうらく侍”桃之進が、怒りの剣を揮う。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、大手ディベロッパー勤務を経て執筆活動に入る。人情ものから江戸ノワール、伝奇物など作風は幅広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
89
今回は長編になっています。この主人公は他の坂岡さんの作品の主人公よりもそんなに剣が強いというわけでもなく、また正義感もそこそこなのですが読み始めるとやめられません。今回もかなり強い刺客のような人物が出てきますが、母親の薙刀によるけいこによって相手を倒します。かなり話も混みいりますが、最後はうまい具合の決着をつけてくれます。2025/06/29
ベルるるる
26
前歯を4本も失った桃之進・・・・可哀そう・・・身につまされるわ、私。だって現在、歯科に通院中ですもの。歯は大事よ、ホントに。柘植の差し歯を準備してくれた弟の竹之進、やさしい。そして理路整然と事件の繋がりを説き、「白刃踏むべし。武士の矜持を見せろ」と叱咤する竹之進。廓で遊んでばかりいたはずの竹之進の隠された一面が段々と表に出てきたね。これからも楽しみ。2017/07/28
ゴルフ72
11
弱きを助け、悪を成敗、正義の味方って言葉がピッタリだねぇ!ますます葛籠ファンになってしまう。少し時間をおいて第4巻へ行きましょう。2023/08/25
ひかつば@呑ん読会堪能中
11
正義の男、桃太郎侍ならぬ桃之進が巨悪に挑む第3弾。刀の鯉口を切ったらふくらはぎが攣り相手に呆れられ、弱い数人を倒したら両足だけでなく背筋も攣ってしまい一人では歩けない 相変わらず笑わせてくれる桃之進。例によって身体を鍛えなおすのだがその方法も面白い。今回は小煩い母親とだらけた弟の違う面を見せてくれたし、敵を全員斬らなかったな(w) 次も楽しみだ。2013/09/06
テンプル
7
久々のシリーズの読了。出世や金銭の誘惑よりも気楽な暮らしや自らの正義を貫く姿勢はカッコイイのやらそれとも外見からカッコ悪いやら。りっぱな剣客なのにいつもぎりぎりなのはちょっと残念。ぎりぎりよりも、ずるもしているような・・・?そして相変わらずだらだらの日々が続く。ちょっと憧れます。2013/08/16
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- 和書
- 古文指導から古典教育へ